難聴と認知症の関係
10/13/2024 10:00:05
今日のポイント:難聴が認知症に関連することを認知することが重要
難聴と認知症との関係についての認知向上が、聴力検査や補聴器装着に意義があるかを調査しました。広島市立広島市民病院からの報告です。(Auris Nasus Larynx誌、2024年8月号)

総合病院を受診した65歳以上の参加者を対象にアンケート調査を実施し、次の背景因子を調査しました。
(1)最近の聴力検査歴
(2)耳鼻咽喉科を受診し、聴力検査を希望するか
(3)難聴と認知症との関係についての認知状況
(4)補聴器の装着について
・参加対象患者は517例(平均年齢:78.06±6.97歳)、地域高齢者人口の2.4%を占めました。
・5年以内の聴力検査歴は、難聴と認知症との関係についての認知と有意な関連が認められました(調整済みオッズ比[aOR]:2.36、95%信頼区間[CI]:1.49〜3.72)。
・耳鼻咽喉科の診療または聴力検査の希望は、難聴と認知症との関係についての認知と有意な関連が認められました(aOR:1.70、95%CI:1.02〜2.85)。
・難聴と認知症との関連について認知していた人は、39.3%でした。
・有意な関連因子は、女性(OR:2.50、95%CI:1.64〜3.81)、対人関係の趣味(OR:1.66、95%CI:1.11〜2.49)でした。
・補聴器装着の有意な背景因子は、高齢(OR:6.95、95%CI:1.90〜25.40)、自己申告による重度の聴覚障害(OR:5.49、95%CI:2.55〜11.80)、独居(OR:2.63、95%CI:1.18〜5.89)でした。
・難聴と認知症との関連についての認知は、有意な因子ではありませんでした。
以上より、難聴と認知症の関連について認知を拡大させることが重要です。
参考文献:
Exploring factors influencing the hearing test and hearing aid adoption among Japanese older adults: Implications of recognizing the hearing loss–dementia relationship - ScienceDirect
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