亜鉛とコロナ死亡リスク

今日のポイント：亜鉛摂取でコロナ死亡リスク低下
 

亜鉛摂取とコロナ死亡リスクについて調べた研究を紹介します。米国・Patel College of Allopathic Medicineからの報告です。（Cureus誌、2023年6月10日号）

2022年7～8月にPubMedline/Medline、Cochrane、Web of Science、CINAHL Completeを用いて、亜鉛補給とCOVID-19の関連を評価した試験を検索しました。重複を除去した結果、1,215本の論文が検索され、これらの研究のうち5試験を死亡率のアウトカムの評価に、2試験を症状のアウトカムの評価に用いました。COVID-19患者の亜鉛摂取と死亡率や症状の関係を評価するために、リスク比（RR）と95％信頼区間（CI）を算出しました。異質性はI2統計量を用いて評価しました。

• 亜鉛を投与されたCOVID-19患者では、投与されなかったCOVID-19患者と比較して死亡リスクが有意に減少しました（RR＝0.63、95％CI：0.52～0.77、p＝0.005）。
• 症状については、亜鉛を投与されたCOVID-19患者と、亜鉛を投与されなかった患者で差は認めませんでした（RR＝0.52、95％CI：0.00～2万4,315.42、p＝0.578）。
• 亜鉛は広く入手可能であり、COVID-19患者の死亡リスクを低減する費用対効果の高い方法として有望な可能性があります。

 
以上より、亜鉛の補給によって、コロナ患者の死亡リスクが有意に低下する可能性が示唆されました。

 
参考：Zinc Supplementation Associated With a Decrease in Mortality in COVID-19 Patients: A Meta-Analysis - PMC (nih.gov)