title

心房細動再発が減るのは、コーヒー1日1杯vs.非摂取?

12/25/2025 10:00:00

その他

今日のポイント
→電気的除細動後では、カフェイン入りコーヒーを1日1杯飲む人の方が、心房細動(AF)または心房粗動の再発率が低い

世間一般には「カフェイン入りコーヒーは不整脈を誘発する」とされているが、実際はどうなのだろうか。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校からの報告です。(JAMA誌オンライン版、2025年11月9日号)

image

Does Eliminating Coffee Avoid Fibrillation試験(DECAF試験)は、研究者主導の前向き非盲検国際多施設共同無作為化試験であり、米国、オーストラリア、カナダの5つの3次医療機関で被験者を募り行われました。対象は、21歳以上、持続性のAF(またはAFの既往歴がある心房粗動)を有し電気的除細動が予定されていた患者で、過去5年間に1日1杯以上のコーヒー摂取、コーヒー摂取をやめる/継続する意思と能力がある、少なくとも6ヵ月の余命を適格条件としました。

電気的除細動に成功した被験者を、定期的にカフェイン入りコーヒーを飲む(コーヒー摂取)群またはコーヒーおよびカフェイン含有製品の摂取を禁止とする(コーヒー禁止)群に、1対1の割合で無作為に割り付け6ヵ月間追跡しました。コーヒー摂取群は、カフェイン入りコーヒーを少なくとも1日1杯飲むことが推奨され、コーヒー禁止群は、カフェイン入りおよびカフェインレスのコーヒーいずれもとその他のカフェイン含有製品を完全にやめることが推奨されました。

主要エンドポイントは、6ヵ月間に臨床的に検出されたAFまたは心房粗動の再発(time-to-event解析で評価した30秒以上継続例)でした。事前規定の副次エンドポイントは、AFと心房粗動の各再発、有害事象(心筋梗塞、脳卒中、心不全の増悪、救急部門受診、入院、死亡)でした。

・2021年11月~2024年12月に200例が登録された。最終追跡評価日は2025年6月5日でした。
・200例は平均年齢69歳(SD 11)、男性が71%で、ベースラインのコーヒー摂取量は両群とも週に7杯(四分位範囲[IQR]:7~18)でした。
・追跡期間中、コーヒー摂取量はコーヒー摂取群が週に7杯(IQR:6~11)、コーヒー禁止群は週に0杯(0~2)で、両群間の差は週に7杯(95%信頼区間[CI]:7~7)でした。
・主要解析で、AFまたは心房粗動の再発は、コーヒー摂取群(47%)がコーヒー禁止群(64%)よりも少なく、再発リスクは39%低くなりました(ハザード比[HR]:0.61、95%CI:0.42~0.89、p=0.01)。
・コーヒー摂取の有益性は、副次エンドポイントであるAF再発のみにおいても観察されました(HR:0.62、95%CI:0.43~0.91、p=0.01)。
・有害事象の有意差はみられませんでした。

以上より、電気的除細動後にカフェイン入りコーヒーを1日1杯飲む群に割り付けられた被験者のほうが、コーヒーやカフェイン含有製品の摂取を禁止された群に割り付けられた被験者よりも、AFまたは心房粗動の再発率が低いことが示されました。


参考文献:
Caffeinated Coffee Consumption or Abstinence to Reduce Atrial Fibrillation: The DECAF Randomized Clinical Trial | Atrial Fibrillation | JAMA | JAMA Network

この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓

PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 病気ブログへにほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へにほんブログ村 病気ブログ 新型コロナウイルス感染症へにほんブログ村 病気ブログ がんへ