豆乳と認知症

今日のポイント：豆乳の摂取と認知症リスク低下との関連あり


豆乳と認知症の関係について調べた研究を紹介します。中国・中山大学からの報告です。（Clinical Nutrition誌、2023年8月30日号）

英国バイオバンクのデータベースより、ベースライン時に認知機能低下が認められなかった参加者を対象に大規模コホート研究を実施しました。ミルクの主な種類（全乳、無脂肪牛乳、豆乳、その他の牛乳、ミルク摂取なし）は、ベースライン時に自己報告により収集しました。主要アウトカムはすべての原因による認知症としました。アルツハイマー病および血管性認知症を副次的アウトカムに含めました。

• 参加者30万7,271人（平均年齢：56.3±8.1歳）のうち、フォローアップ期間中（中央値：12.3年）にすべての原因による認知症を発症した人は、3,789人（1.2％）でした。
• 潜在的な交絡因子で調整した後、ミルク摂取なしの人と比較し、豆乳摂取者のみにおいて、すべての原因による認知症リスクの有意な低下が認められました（ハザード比[HR]：0.69、95％信頼区間[CI]：0.54～0.90）。
• 豆乳の非摂取者（全乳、無脂肪牛乳、その他の牛乳）と比較した場合でも、豆乳摂取者は、すべての原因による認知症リスクが低くなりました（HR：0.76、95％CI：0.63～0.92）。なお、認知症の遺伝的リスクとの相互作用は認められませんでした（p for interaction＝0.15）
• 豆乳摂取者は、アルツハイマー病リスクが低かったが（HR：0.70、95％CI：0.51～0.94、p＝0.02）、血管性認知症リスクとの有意な関連は認められませんでした（HR：0.72、95％CI：0.47～1.12、p＝0.14）。

以上より、豆乳の摂取と認知症リスク低下との関連が認められました。


参考：Different types of milk consumption and the risk of dementia: Analysis from a large-scale cohort study - Clinical Nutrition (clinicalnutritionjournal.com)