寒さと心筋梗塞の関係
12/10/2024 10:00:05
今日のポイント:厳しい寒さは心筋梗塞のリスクを高める
低い気温や寒波が心筋梗塞(MI)発症に与える短期的な影響について検討しました、米ハーバード大学からの報告です。(Journal of the American College of Cardiology(JACC)、2024年9月1日)
スウェーデンのSWEDEHEART登録者12万380人の転帰を追跡しました。対象者は、2005年から2019年の寒冷期(10〜3月)にMIにより入院していました。機械学習を用いて1km2単位での日平均気温を推定し、同じ自治体に住む人が経験した日々の気温のパーセンタイルに基づいて、それぞれの自治体ごとの寒さに対する適応度を評価しました。寒波は、各自治体の気温分布の10パーセンタイル以下の日平均気温が2日以上続く期間として定義されました。低温と寒波の影響は、ラグ(低温や寒波の発生からその影響が現れるまでの時間差)0〜1日(即時)とラグ2〜6日(遅延)に分けて検討しました。
・その結果、低温になってから2〜6日後に外気温パーセンタイルが1単位低下すると、MI、非ST上昇型MI(NSTEMI)、およびST上昇型MI(STEMI)のリスクがそれぞれ有意に増加しました。
・そのオッズ比は同順で、1.099(95%信頼区間1.057〜1.142)、1.110(同1.060〜1.164)、1.076(同1.004〜1.153)であると推定されました。
・また、到来から2〜6日後の寒波もMI、NSTEMI、STEMIの有意なリスク増加と関連し、オッズ比は同順で1.077(同1.037〜1.120)、1.069(同1.020〜1.119)、1.095(同1.023〜1.172)でした。
・一方、ラグ0〜1日の低温と寒波は、MIのリスク低下と関連していました。
・これらの結果は、初発のMIであったかや、MIの既往歴の有無を考慮しても変わりませんでした。
以上より、厳しい寒さは心筋梗塞と関連があるようです。
参考文献:
Short-Term Effects of Lower Air Temperature and Cold Spells on Myocardial Infarction Hospitalizations in Sweden - ScienceDirect
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