歩数と認知症の関係
10/6/2022 10:00:03
認知症
今日のポイント:一日当たり約1万歩で認知症リスク低下最大
認知症予防と身体活動には関連性があることが知られていますが、今回南デンマーク大学より一日の歩数と認知症の関連性を調べた研究が報告されました。(JAMA Neurology誌オンライン版、2022年9月6日号)
2013年2月~2015年12月におけるUK Biobankの集団ベース・プロスペクティブコホート研究を実施し、10万3,684人が対象、フォローアップ期間は6.9年としました。このうち、有効な歩数データを有する40~79歳の成人7万8,430人を分析対象に含めました。歩数計から得られた1日の歩数、1分当たり40歩未満の偶発的な歩数、1分当たり40歩以上の意図的な歩数、1日の最も歩数の多い30分間(ピーク30分間)における1分当たりの歩数を分析しました。
- 対象者は、平均年齢61.1±7.9歳、男性3万5,040人(44.7%)、女性4万3,390人(55.3%)、アジア人881人(1.1%)、黒人641人(0.8%)、混合人種427人(0.5%)、白人7万5,852人(96.7%)、その他または特定不能629人(0.8%)でした。
- 7万8,430人中866人が認知症を発症し(フォローアップ期間中央値:6.9年[6.4~7.5年]、平均年齢:68.3±5.6歳、男性:480人[55.4%]、女性:386人[44.6%]、アジア人:5人[0.6%]、黒人:6人[0.7%]、混合人種:4人[0.4%]、白人:821人[97.6%]、その他:6人[0.7%])でした。
- 分析では、1日の歩数と認知症発症との間に非線形の関連が認められました。
- 最大のリスク低下が認められた歩数は9,826歩(ハザード比[HR]:0.49、95%信頼区間[CI]:0.39~0.62)で、リスクの低下が認められた最小の歩数は3,826歩(HR:0.75、95%CI:0.67~0.83)で、リスク低下は最大のリスク低下の50%でした。
- 偶発的な歩数で最もリスク低下が認められたのは3,677歩(HR:0.58、95%CI:0.44~0.72)、同じく意図的な歩数では6,315歩(HR:0.43、95%CI:0.32~0.58)、ピーク30分間の歩数では1分当たり112歩(HR:0.38、95%CI:0.24~0.60)でした。
以上のように、一日当たり約1万歩程度を歩いている人は認知症リスク低下が見込めるかもしれません。
参考:Association of Daily Step Count and Intensity With Incident Dementia in 78 430 Adults Living in the UK | Dementia and Cognitive Impairment | JAMA Neurology | JAMA Network
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