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歯周ポケットなどの歯科健診項目と嚥下機能

11/19/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:歯周ポケットなどの歯科健診項目は嚥下機能と関連


75歳以上の日本人高齢者を対象に、歯科健診の結果と嚥下機能との関連を調べました。朝日大学歯学部からの報告です。(「International Journal of Environmental Research and Public Health」、2024年5月24日)

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2018年4月から2019年3月に岐阜県内の4つの市で歯科健診を受診した75歳以上の地域住民を2020年4月から2021年3月まで追跡し、歯科健診項目と2年後の嚥下機能低下との関連を検討しました。歯科医師による歯科健診として、嚥下機能、残存歯数、虫歯の有無、歯周ポケットの深さなどを評価しました。反復唾液嚥下試験を行い、嚥下回数が30秒間に3回未満の場合を嚥下機能低下と判定しました。また、自記式質問票を用いて、硬いものが噛みにくいか、お茶や水でむせるか、口が乾くかどうかや、喫煙習慣などについても調査しました。ベースライン時に嚥下機能が低下していた人などは除き、解析対象者は3,409人(ベースライン時の平均年齢81歳、男性42%)でした。

・2年後に嚥下機能低下と判定された人は429人(13%)でした。
・ベースライン時と比べて2年後の方が、高血圧(61%対64%)、糖尿病(35%対38%)、運動器障害(75%対78%)、要支援・要介護認定(11%対22%)を有する人の割合は有意に高く、残存歯数20本以上の人(67%対62%)の割合は有意に低くなりました。
・一方、虫歯のある人(26%対25%)、歯周ポケット4mm以上の人(66%対68%)、硬いものが噛みにくい人(24%対25%)、お茶や水でむせる人(21%対22%)、口が乾く人(30%対32%)の割合については、有意差は認めませんでした。
・嚥下機能低下と関連する因子を多変量ロジスティック回帰により解析し、男性(オッズ比0.772、95%信頼区間0.615~0.969)、81歳以上(同1.523、1.224~1.895)、要支援・要介護認定(同1.815、1.361~2.394)、歯周ポケット4mm以上(1.469、1.163~1.856)、硬いものが噛みにくいこと(同1.439、1.145~1.808)、お茶や水でむせること(同2.543、2.025~3.193)、口が乾くこと(同1.316、1.052~1.646)が、2年後の嚥下機能低下と有意に関連していることが明らかとなりました。

以上より、歯周ポケットなどの歯科健診の結果と将来の嚥下機能低下と関連することが明らかとなりました。


参考文献:
IJERPH | Free Full-Text | Predictive Factors Associated with Future Decline in Swallowing Function among Japanese Older People Aged ≥ 75 Years (mdpi.com)

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