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スタチンはくも膜下出血リスクを下げる

9/2/2025 10:00:05

その他

今日のポイント:スタチンはくも膜下出血リスクを下げる

スタチン使用によるくも膜下出血予防効果を調査しました。東京理科大学からの報告です。(Stroke誌オンライン版、2025年7月8日号)

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本研究では、2005年1月~2021年8月に新たにくも膜下出血(ICD分類第10改訂コードI60)と診断されて入院した患者を症例とし、症例1例につき4例の対照を無作為に選択し、incidence density samplingを用いて年齢、性別、追跡期間でマッチングしました。スタチン曝露(使用頻度、期間)はくも膜下出血発症前に評価しました。患者特性で調整された条件付きロジスティック回帰を使用して、スタチン使用とくも膜下出血リスクの関連を評価し、さらに、この関連が高血圧・糖尿病・脳血管疾患・未破裂頭蓋内動脈瘤の既往、降圧薬の使用によって差があるかどうか調査しました。

・症例3,498例と対照1万3,992例が同定され、症例群の12.2%と対照群の12.7%でスタチンを使用していました。
・患者特性による調整後、スタチン使用はくも膜下出血リスクの有意な低下と関連していました(調整オッズ比:0.81、95%信頼区間:0.69~0.95)。
・この関連は高血圧と脳血管疾患の既往歴により有意な影響がありました(相互作用のp値:どちらも0.042)。

以上より、スタチンがくも膜下出血予防に役割を果たす可能性を示唆しており、とくに高血圧または脳血管疾患既往歴のある患者においてその効果が顕著であることがわかりました。


参考文献:
Association Between Statin Use and Risk of Subarachnoid Hemorrhage: A Case-Control Study Using Large-Scale Claims Data | Stroke

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