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睡眠時間と糖尿病

5/23/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:睡眠時間が6時間未満だと2型糖尿病発症リスクが高い


睡眠時間と糖尿病発症の関係を調査しました。ウプサラ大学(スウェーデン)からの報告です。(JAMA Network Open、2024年3月5日)

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本研究は、英国の一般住民対象の大規模疫学研究「UKバイオバンク」のデータが用いられました。24万7,867人(平均年齢55.9±8.1歳、女性52.3%、BMI26.6±3.7、HbA1c5.4±2.5%)の睡眠時間および食習慣と2型糖尿病発症リスクとの関連を検討しました。睡眠時間については7~8時間の群(全体の75.5%)、6時間の群(19.8%)、5時間の群(3.9%)、3~4時間の群(0.8%)という4群に分類しました。食習慣については、赤肉、加工肉、果物、野菜、魚の摂取量に基づき、0点(最も非健康的)から5点(最も健康的)の範囲にスコア化しました。

・中央値12.5年(四分位範囲11.8~13.2)の追跡期間中に、3.2%が2型糖尿病と診断されていました。
・2型糖尿病発症リスクに影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、人種/民族、BMI、喫煙・飲酒・運動習慣、血圧、教育歴、社会経済的状況など)を調整後、睡眠時間が7~8時間の群に比べて、5時間〔ハザード比(HR)1.16(95%信頼区間1.05~1.28)〕や3~4時間〔HR1.41(同1.19~1.68)〕の群では2型糖尿病発症リスクが有意に高いことが確認されました(6時間の群は非有意)。
・また、食事スコアが高い群は2型糖尿病発症リスクが低くなりました〔0点と比較し4点はHR0.82、5点はHR0.75(1~3点は非有意)〕。
・次に、食習慣の影響を検討するために、食事スコアが0~3点の群(54.0%)と4~5点の群(46.0%)に二分した上で解析しました。
・結果は、食事スコアの高低にかかわらず、短時間睡眠の人は2型糖尿病発症リスクが有意に高いことが明らかになりました。
・具体的には、睡眠時間が5時間の場合、食事スコアが低く非健康的な食習慣の群ではHR1.16(1.02~1.31)、スコアが高く健康的な食習慣の群ではHR1.17(1.00~1.37)であり、睡眠時間が3~4時間の場合は同順にHR1.39(1.11~1.73)、HR1.46(1.10~1.93)でした。

以上より、睡眠時間が6時間未満の人は、たとえ健康的な食習慣であったとしても、2型糖尿病の発症リスクが高いことが示唆されました。


参考文献:Habitual Short Sleep Duration, Diet, and Development of Type 2 Diabetes in Adults - PMC (nih.gov)

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