title

コロナワクチン、オミクロン初期の東京で850万人の感染を回避

11/26/2023 10:00:05

新型コロナ

今日のポイント:コロナワクチンによりオミクロン初期の東京で850万人の感染を回避に貢献


2022年1~5月には、全世界的に新型コロナウイルス(COVID-19)のオミクロン株BA.1/BA.2が流行していたが、この時期のワクチン接種による集団レベルの影響を全国でも比較的完全な接種歴データを有する東京都のデータを用いて評価しました。京都大学からの報告です。(BMC Infectious Diseases誌、2023年10月31日号)

image

オミクロン株BA.1/BA.2が優勢だった第6波の2022年1月1日~5月27日(21週間)のデータを解析しました。初回シリーズ(1・2回目)と追加接種(3回目)の接種率、および接種歴別に層別化した確定症例を分析し、ワクチン接種によって直接および間接的に予防されたCOVID-19症例数を推定しました。症例報告率は25%と仮定しました。直接的な効果の推定には、ワクチン未接種者とワクチン接種者のリスクを比較する統計モデルを用いました。ワクチンの集団接種により得られる効果を間接的な効果としました。直接効果と間接効果を総合した効果は、ワクチン接種プログラムが実施されなかったという反事実のシナリオを伝播モデルで推定し、リアルワールドで観察された感染者数のデータと比較することで評価しました。間接効果は、総合効果と直接効果の差として算出しました。
 
・2022年1~5月の東京都において、初回シリーズは47万8,000人(95%信頼区間[CI]:46.7万~48.9万、29%減少)の感染回避に直接貢献し、追加接種は16万2,000人(95%CI:15.7万~16.6万、12%減少)の、合計64万人(95%CI:62.4万~65.5万)の感染回避に直接的に貢献しました。
・初回シリーズと追加接種により、850万人(95%CI:840万~860万、65%減少)の感染回避に、直接的および間接的に貢献しました。
・追加接種の接種率が初回シリーズの接種率と同程度であれば、感染者数はさらに19%(376万75人、95%CI:370万9,102~380万8,214)減少した可能性があります。さらに、10~49歳の追加接種の接種率があと10%高ければ、感染者数はさらに7%減少した可能性があります。
・高齢者の初回接種率は95%を超えていました。2022年のオミクロン株流行時の集団レベルの影響は大きく、東京都に住む60歳以上において、54%の感染を予防しました。
 
以上より、ワクチン接種により約64万人の感染が直接回避され、集団接種による間接的な効果も含めると約850万人の感染が回避され、ワクチン接種しなかった場合と比較すると65%の感染を減少したと推定されました。


参考:Assessing the COVID-19 vaccination program during the Omicron variant (B.1.1.529) epidemic in early 2022, Tokyo | BMC Infectious Diseases | Full Text (biomedcentral.com)

この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓

PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 病気ブログへにほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へにほんブログ村 病気ブログ 新型コロナウイルス感染症へにほんブログ村 病気ブログ がんへ