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熱帯夜と死亡リスク

5/30/2023 10:00:04

その他

今日のポイント:初夏の熱帯夜は死亡リスクが高い


筑波大学は、最低気温が高い熱帯夜と死亡リスクとの関連を検討した研究を報告しました。(Environmental Health Perspective誌、2023年5月号)

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日本の47都道府県における43年間(1973~2015年)のデータから死因や地域別に熱帯夜の死亡率への影響を推定しました。熱帯夜は、1日の最低気温が25℃以上の日またはその都道府県において研究期間中の1日最低気温の95パーセンタイル以上の日と定義し、熱帯夜が発生する季節(4~11月)における都道府県別の熱帯夜と死亡率の関連を推定しました。さらに、ランダム効果メタ解析モデルを用いて統合累積関連を推定しました。

  • 2,472万1,226例の死亡例を解析しました。
  • 熱帯夜ではない日に対する熱帯夜の相対死亡リスク(RR)は、最低気温25℃以上で1.09(95%信頼区間:1.08~1.10)、最低気温が95パーセンタイル以上で1.10(同:1.09~1.11)でした。
  • 11の死因(心血管疾患、虚血性心疾患、脳血管疾患、脳出血、脳梗塞、呼吸器疾患、肺炎、COPD、喘息、腎臓病、高齢)による死亡率すべてが熱帯夜と関連していました。
  • 熱帯夜と死亡率との関連の強さは都道府県によって異なっていました。
  • すべての地域で、晩夏と比べて初夏の熱帯夜の死亡リスクが高くなりました。

 
以上より、熱帯夜により死亡リスクが有意に増加し、さらに晩夏より初夏の熱帯夜で死亡リスクが高いことがわかりました。
 

参考:Mortality Risk of Hot Nights: A Nationwide Population-Based Retrospective Study in Japan | Environmental Health Perspectives | Vol. 131, No. 5 (nih.gov)

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