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父親の教育と子どものメンタルヘルス

11/23/2025 10:00:05

メンタルヘルス

今日のポイント
→青年期の父親の厳しい教育は、子どもの睡眠障害リスク、メンタルヘルスの悪化につながる

青年期の睡眠を調整因子として、青年期の厳しい子育てとその後の抑うつ症状の関係を調査しました。米国・ニューメキシコ大学からの報告です。(Sleep Health誌オンライン版、2025年9月17日号)

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9年間にわたる5wave(子供の年齢が16、17、18、23、25歳)研究を実施しました。16歳で研究に参加した家族は245組(女性の割合:52%、白人/ヨーロッパ系米国人:67%、黒人/アフリカ系米国人:33%)、5waveすべてに参加した家族は132組でした。母親と父親は、16〜18歳までに子供に行った厳しい子育て(言葉による虐待および身体的な虐待)の頻度について報告しました。16〜18歳までの子供の睡眠時間および睡眠の質(睡眠維持効率、長時間覚醒エピソード)の測定には、アクティグラフィーを用いました。抑うつ症状は、5waveのすべてで自己申告により評価しました。

・自己回帰効果をコントロールした後、構造方程式モデルを用いて、青年期における父親の厳しい子育てと成人初期の抑うつ症状との関連を悪化させる因子は、青年期における睡眠時間の短縮、睡眠維持効率の低下、長時間覚醒エピソードの増加であることが明らかとなりました。
【青年期における睡眠時間の短縮】β=-0.16、p<0.03
【睡眠維持効率の低下】β=-0.30、p<0.001
【長時間覚醒エピソードの増加】β=0.24、p=0.004
・母親の厳しい子育ては、青年期の睡眠状況に関わらず、リスク変化に影響しませんでした。

以上より、青年期における父親の厳しい子育てと睡眠障害との相互作用は、成人初期の抑うつ症状を予測する可能性が示されました。


参考文献:
Harsh parenting in adolescence and symptoms of depression in emerging adulthood: The moderating role of sleep - Sleep Health: Journal of the National Sleep Foundation

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