うつ病リスクと身体活動・睡眠時間
4/27/2023 10:00:04
メンタルヘルス
今日のポイント:中程度~高度な身体活動はうつ病リスクを低下させる
うつ病リスク低下と中程度~高度な身体活動(MVPA)に関して、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンから研究報告です。(Journal of Affective Disorders誌オンライン版、2022年9月30日号)
対象は、1970 British Cohort Study(英国の1970年出生コホート研究)より抽出した4,738例としました(2016年時、年齢46歳)。抑うつ状態の評価は、自己報告による受診および抗うつ薬の使用歴に基づき確認しました。中程度~高度な身体活動(MVPA)、軽度な身体活動(LIPA)、座位行動(SB)、睡眠の測定は、大腿部に装着した加速度計を用いて7日間連続で行いました。さまざまな運動に費やされた時間構成とうつ病との関連を評価するため、コンポジショナルロジスティック回帰を用いました。
- SB、睡眠、LIPAと比較し、MVPAに費やす時間が長いほど、うつ病リスクの低下が認められました。
- 時間の再配分をモデル化(たとえば、ある行動の時間を他の行動へ置き換え)した場合、睡眠、SB、LIPAの時間のMVPAへの置き換えは、うつ病リスクの低下との強い相関が認められました。
- SB、睡眠、LIPAに費やす時間をこれら3つで再分配しても、うつ病リスクに対する効果は、あまりありませんでした。
- なお、本データは横断的データであるため、因果関係を推測するには至りませんでした。
- 加速度計による測定では、SB時間の内容(テレビの視聴、読書など)までは特定できず、ベッドで過ごした時間と実際の睡眠時間を分離することができませんでした。
以上より、あらゆる行動をMVPAに置き換えることで、うつ病リスクが低下することが明らかとなりました。
参考:Associations between the composition of daily time spent in physical activity, sedentary behaviour and sleep and risk of depression: Compositional data analyses of the 1970 British cohort Study - ScienceDirect
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓