コロナ、複数感染で死亡と後遺症リスク倍増?!
12/6/2022 10:00:03
新型コロナ
今日のポイント:新型コロナウイルスへの複数回の感染により、死亡と後遺症リスクは2倍超、入院リスクは3倍超
新型コロナウイルス感染症の流行が続く今日ですが、複数回の感染を経験している方も一定数います。本日は複数回の感染による健康リスクについて米国からの報告を見ていきましょう。(Nature Medicine誌、2022年11月10日)
2020年3月1日~2022年4月6日の米国退役軍人省の医療データベースを利用し、コロナ1回感染者44万3,588例、2回以上の複数回感染者4万947例(2回感染者3万7,997例[92.8%]、3回感染者2,572例[6.3%]、4回以上感染者378例[0.9%])、対照群として1回も感染していない未感染者533万4,729例を抽出し、死亡率、入院率、後遺症発現率を解析しました。
- 1回感染群と比較して、2回以上の複数回感染群では、全死因死亡のハザード比(HR)は2.17(95%信頼区間[CI]:1.93~2.45)、入院のHRは3.32(95%CI:3.13~3.51)でした。
- 同じく1つ以上の後遺症発現のHRは2.10(95%CI:2.04~2.16)で、腎障害(HR:3.55、95%CI:3.18~3.97)、肺障害(3.54、3.29~3.82)、血液凝固異常(3.10、2.77~3.47)、心血管障害(3.02、2.80~3.26)、消化器障害(2.48、2.35~2.62)、倦怠感(2.33、2.14~2.53)、精神的な不調(2.14、2.04~2.24)糖尿病(1.70、1.41~2.05)、筋骨格系障害(1.64、1.49~1.80)、神経学的障害(1.60、1.51~1.69)でした。これらは主に急性期に認められましたが、再感染から6ヵ月後でも認められました。
- これらのリスクは、新型コロナウイルスワクチンの接種状況に関係なく認められました。
- 感染回数が増えるほど後遺症リスクは上昇しました。未感染群と比較して、1回感染群のHRは1.37(95%CI:1.36~1.38)、2回感染群のHRは2.07(95%CI:2.03~2.11)、3回以上感染群のHRは2.35(95%CI:2.12~2.62)でした。
新型コロナウイルスへの複数回感染は、初回の感染よりも死亡、入院、後遺症リスクが高まることが明らかになりました。すでに1回感染した人は、2回目の感染を予防することは重要かもしれません。
参考:Acute and postacute sequelae associated with SARS-CoV-2 reinfection | Nature Medicine
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