title

コーヒーの砂糖やクリームと糖尿病リスク

4/15/2025 10:00:04

その他

今日のポイント:コーヒーに砂糖や人工甘味料を加えるとコーヒーの摂取量増加と2型糖尿病リスクとの逆相関(リスク低下)が大幅に弱まる

コーヒー摂取は、一貫して2型糖尿病のリスク低下と関連しているが、砂糖やクリームを添加することによってこの関連が変化するか調査しました。スペイン・ナバーラ大学からの報告です。(American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版、2025年1月18日)

image

コーヒー摂取と2型糖尿病のリスクとの関連について、砂糖、人工甘味料、クリーム、または非乳製品のクリーム(コーヒーホワイトナー)の添加を考慮して分析を行いました。調査には看護師健康調査(Nurses' Health Study:NHS、1986~2020年)、NHS II(1991~2020年)、医療者追跡調査(HPFS、1991~2020年)の3つの大規模前向きコホートを用い、質問表でコーヒーの消費量、添加の有無、2型糖尿病の発症状況などを確認しました。時間依存Cox比例ハザード回帰モデルを使用し、多変量調整してハザード比(HR)を算出しました。

・366万5,408人年の追跡期間中に、1万3,281例が2型糖尿病を発症していました。
・多変量調整後の3コホートの統合解析では、無添加のコーヒーを1杯追加するごとに2型糖尿病のリスクが10%低下しました(ハザード比[HR]:0.90、95%信頼区間[CI]:0.89~0.92)。
・クリームを加えたコホートでは逆相関の変化はみられませんでした。
・コーヒーに砂糖を加えたコホート(コーヒー1杯あたり平均で小さじ1杯)では、相関は有意に弱まりました(HR:0.95[95%CI:0.93~0.97]、交互作用項のHR:1.17[95%CI:1.07~1.27])。
・人工甘味料を使用していたコホートでも同様のパターンがみられました(HR:0.93[95%CI:0.90~0.96]、交互作用項のHR:1.13[95%CI:1.00~1.28])。
・コーヒーホワイトナーを使用したコホートでは、コーヒー摂取と2型糖尿病リスクとの関連性が弱まったものの、交互作用は有意ではありませんでした(HR:0.95、95%CI:0.91~1.00、交互作用項のHR:1.16、95%CI:0.66~2.06)。

以上より、コーヒーに砂糖や人工甘味料を加えるとコーヒーの摂取量増加と2型糖尿病リスクとの逆相関(リスク低下)が大幅に弱まるものの、クリームを使用しても逆相関は変わらないことを示唆しました。


参考文献:
Coffee Consumption, Additive Use, and Risk of Type 2 Diabetes-Results from 3 Large Prospective United States Cohort Studies - PubMed

この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓

PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 病気ブログへにほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へにほんブログ村 病気ブログ 新型コロナウイルス感染症へにほんブログ村 病気ブログ がんへ