がん罹患・死亡リスクを4割程度予防できる可能性
11/7/2024 10:00:05
今日のポイント:がん罹患の40%・死亡の44%が予防できる可能性
米国におけるがん罹患の約40%とがん死亡の44%が、修正可能なリスク因子に起因していることが新たな研究で明らかになりました。(A Cancer Journal for Clinicians誌オンライン版、2024年7月11日号)
米国がん協会(ジョージア州・アトランタ)は、2019年(COVID-19流行の影響を避けるため、この年に設定)に米国でがんと診断された30歳以上の成人を対象に、30のがん種について全体および潜在的に修正可能なリスク因子に起因する割合と死亡数を推定しました。評価されたリスク因子には、喫煙(現在および過去)、受動喫煙、過体重、飲酒、赤肉および加工肉の摂取、果物や野菜の摂取不足、食物繊維およびカルシウムの摂取不足、運動不足、紫外線、そして7つの発がん性感染症が含まれました。がん罹患数と死亡数は全国をカバーするデータソース、全国調査によるリスク因子の有病率推定値、および公表された大規模なプールまたはメタアナリシスによるがんの関連相対リスクから得ました。
・2019年における米国の30歳以上の成人における全がん罹患数(非メラノーマを除く)の40.0%(71万3,340/178万1,649例)、全がん死亡数の44.0%(26万2,120/59万5,737例)が評価されたリスク因子に起因すると推定されました。
・全がんの罹患/死亡に関連するリスク因子の1位は喫煙(19.3%/28.5%)であり、2位は過体重(7.6%/7.3%)、3位は飲酒(5.4%/4.1%)でした。
・評価対象となった30種のがんのうち、19種類のがんは罹患数および死亡数の2分の1以上が検討された評価されたリスク因子に起因していました。
・リスク因子に起因するがんのうち、肺がんが罹患数(20万1,660例)および死亡数(12万2,740例)とも最多であり、罹患数は女性の乳がん(8万3,840例)、メラノーマ(8万2,710例)、大腸がん(7万8,440例)が続き、死亡数では大腸がん(2万5,800例)、肝がん(1万4,720例)、食道がん(1万3,600例)が続きました。
以上より、多数のがん罹患および死亡は、潜在的に修正可能なリスク因子に起因しており、予防策を幅広く公平に実施することにより、がんの負担を大幅に軽減できる可能性があるとされました。
参考文献:
Proportion and number of cancer cases and deaths attributable to potentially modifiable risk factors in the United States, 2019 - Islami - 2024 - CA: A Cancer Journal for Clinicians - Wiley Online Library
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