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バターvs.植物油 死亡リスク

5/27/2025 10:00:05

その他

今日のポイント:バターを植物油に置き換えると死亡リスク低下

バターと植物油の使用で死亡リスクの差が出るのか調査しました。米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院からの報告です。(JAMA Internal Medicine、2025年3月6日)

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本研究は、医療従事者を対象とした3つの長期研究で30年以上にわたって追跡調査された、22万1,054人の参加者の食事や健康状態に関するデータに基づきました。参加者の中に、研究参加時にがん、心血管疾患(CVD)、糖尿病、神経変性疾患を有する人はいませんでした。これらの研究では、4年ごとに食事内容に関する調査が実施されていました。調査では、バターの総摂取量として、バターとマーガリンをブレンドしたもの、バタースプレッド、家庭でのパン作りや揚げ物、炒め物などの料理に使われるバターの摂取量も調査されました。植物油の摂取量は、揚げ物や炒め物、ソテー、パン作り、サラダのドレッシングに使った量に基づき推定されました。

・33年間の追跡期間中に5万932人が死亡していました。
・死因は主に、がん(1万2,241人)とCVD(1万1,240人)でした。
・バターまたは植物油の摂取量に応じて、参加者をそれぞれ4群に分類して解析した結果、バターの摂取量が最も多い群では、最も少ない群と比べて死亡リスクが15%高いことが示されました(ハザード比1.15、95%信頼区間1.08〜1.22、P for trend<0.001)。
・一方、植物油の摂取量が最も多い群では、最も少ない群と比べて死亡リスクが16%低くなりました(同0.84、0.79〜0.90、P for trend<0.001)。
・さらに、毎日少量のバターを植物油に置き換えるだけでも死亡リスクが低下することが示されました。
・具体的には、1日当たり10gのバターを植物油に置き換えることで、全死亡およびがんによる死亡のリスクがそれぞれ17%低下することが明らかになりました(全死亡:同0.83、0.79〜0.86、P<0.001、がんによる死亡:同0.83、0.76〜0.90、P<0.001)。

以上より、バターの摂取量が多い人は少ない人に比べて早期死亡リスクが高いが、オリーブ油のような植物性の油を主に使っている人は早期死亡リスクが低いことが明らかになりました。


参考文献:
Butter and Plant-Based Oils Intake and Mortality | Cardiology | JAMA Internal Medicine | JAMA Network

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