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マイクロプラスチックと心血管イベント、死亡リスク

4/25/2024 10:00:04

その他

今日のポイント:マイクロプラスチックで心血管イベント・死亡リスク上昇


頸動脈プラークからマイクロプラスチックまたはナノプラスチック(MNP)が検出された患者の心筋梗塞、脳卒中、全死因死亡の複合リスクを調査しました。イタリア・University of Campania Luigi Vanvitelliからの報告です。(NEJM誌、2024年3月7日)

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無症候性頸動脈疾患に対して頸動脈内膜切除術を受ける予定の患者を対象に検討を行いました。頸動脈プラークの摘出検体を用いて、熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析、安定同位体分析、電子顕微鏡検査を行い、MNPの存在を分析しました。炎症性バイオマーカーは、酵素免疫測定法と免疫組織化学法で評価しました。主要エンドポイントは、心筋梗塞、脳卒中、全死因死亡の複合で、プラーク中にMNPの存在が確認された患者と確認されなかった患者を比較しました。
 
・計304例が登録され、257例が追跡期間中央値33.7(SD 6.9)ヵ月の試験を完了しました。
・150例(58.4%)の患者の頸動脈プラークからポリエチレン(平均21.7±24.5μg/mg)が検出され、31例(12.1%)の患者のプラークからは、測定可能なポリ塩化ビニル(平均5.2±2.4μg/mg)も検出されました。
・電子顕微鏡検査により、プラーク中のマクロファージ間に、辺縁がギザギザの異物が確認でき、外部デブリに散在していることが認められました。
・放射線検査では、これらの異物の一部に塩素が含まれていることが示されました。
・アテローム内にMNPの存在が認められた患者は、認められなかった患者よりも、主要エンドポイントのイベントリスクが有意に高くなりました(ハザード比:4.53、95%信頼区間:2.00~10.27、p<0.001)。
 
以上より、頸動脈プラークからマイクロプラスチックまたはナノプラスチックが検出された患者は、検出されなかった患者と比較して、追跡34ヵ月時点の心筋梗塞、脳卒中、全死因死亡の複合リスクが有意に高いことが示唆されました。
 

参考:Microplastics and Nanoplastics in Atheromas and Cardiovascular Events | NEJM

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