日本人の認知症タイプ別死亡リスク
4/6/2023 10:00:03
認知症
今日のポイント:軽度認知障害、認知症はタイプによらず死亡率上昇
日本における認知症のサブタイプ別の死亡率、死因、予後関連因子を調査しました。医薬基盤・健康・栄養研究所からの報告です。(Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版、2023年2月6日)
国立長寿医療研究センターの予防老年学研究部におけるもの忘れ外来受診者の予後調査研究(NCGG-STORIES)で収集した患者の臨床および予後データを分析しました。2010年7月~2018年9月に当センターもの忘れ外来を受診した患者またはその近親者を対象に、郵便調査で死亡状況の確認を行いました。対象患者3,229例を6つの認知機能タイプ(認知機能正常[NC]、軽度認知障害[MCI]、アルツハイマー病[AD]、血管性認知症、レビー小体型認知症[DLB]、前頭側頭型認知症)に分類しました。認知機能タイプ別の死亡率を比較するため、Cox比例ハザードモデルを用いました。
- NC群と比較し、すべての認知症サブタイプおよびMCI群の死亡率は高くなりました(ハザードリスク:2.61~5.20)。
- 最も多かった死因は肺炎であり、次いでがんでした。
- MCI、AD、DLB群における予後因子は、高齢、男性、認知機能低下であり、アポリポ蛋白Eℇ4対立遺伝子との関連は認められませんでした。
今回、認知症のサブタイプ別に死亡リスクと死因の違いが認められたことから、今後の高度な認知症ケア計画や政策立案に役立つことが望まれます。
参考:Mortality Risks and Causes of Death by Dementia Types in a Japanese Cohort with Dementia: NCGG-STORIES - IOS Press
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