NSAIDs服用と高齢者の運転
10/24/2023 10:00:05
その他
今日のポイント:高齢者はNSAIDs服用で運転パフォーマンス低下
NSAIDs服用による高齢者の運転パフォーマンスへの影響を調査しました。米国・ワシントン大学からの報告です。(JAMA Network Open誌、2023年9月29日号)
参加者は、有効な運転免許証を持ち、ベースライン時およびその後の来院時の臨床的認知症尺度のスコアが0(認知機能障害がない)で、臨床検査、神経心理学的検査、路上試験、投薬データが入手可能であった65歳以上の198人(平均年齢72.6[SD 4.6]歳、女性43.9%)でした。データは、2012年8月28日~2023年3月14日に収集され、2023年4月1~25日に分析されました。
主要アウトカムは、Washington University Road Testによる路上試験の成績(合格または限界/不合格)でした。多変量Cox比例ハザードモデルを用いて、運転に支障を来す可能性のある薬剤の服用と、路上試験の成績との関連性を評価しました。
- 平均追跡期間5.7(SD 2.45)年で、70人(35%)が路上試験で限界/不合格の評価を受けました。
- 非服用者と比べて、すべての抗うつ薬(調整ハザード比[aHR]:2.82、95%信頼区間[CI]:1.69~4.71)、SSRI/SNRI(aHR:2.68、95%CI:1.54~4.64)、鎮静薬/睡眠導入薬(aHR:2.72、95%CI:1.41~5.22)、NSAIDs/アセトアミノフェン(aHR:2.72、95%CI:1.31~5.63)の服用は、路上試験で限界/不合格となるリスクの増加と有意に関連していました。
- 脂質異常症治療薬を服用している参加者は、非服用者に比べて限界/不合格となるリスクが低くなりました。
- 抗コリン薬や抗ヒスタミン薬と成績不良との間に統計学的に有意な関連は認められませんでした。
以上より、抗うつ薬や睡眠導入薬、NSAIDsなどを服用していた高齢者は、非服用者と比べて時間の経過とともに運転パフォーマンスが有意に低下していたことが明らかになりました。
参考:Medication and Road Test Performance Among Cognitively Healthy Older Adults - PMC (nih.gov)
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓