成人期の継続的な身体活動と死亡リスク
9/18/2025 10:00:00
今日のポイント:成人期の継続的な身体活動は死亡リスクを低下させる
成人期の継続的な身体活動と死亡リスクの関係を調査しました。クイーンズランド大学(オーストラリア)からの報告です。(British Journal of Sports Medicine、2025年7月10日)

臨床的疾患を持たない一般成人を対象に、身体活動について少なくとも2時点で評価し、全死因死亡・心血管疾患による死亡・がんによる死亡との関連を検討しました、2024年4月9日までに英語で発表された前向きコホート研究を85件選出し、メタアナリシスを実施しました。対象者の規模は研究ごとに異なり、最小357人から最大657万人でした。全死因死亡を評価していた研究は77件、心血管疾患による死亡を評価していた研究は34件、がんによる死亡を評価していた研究は15件でした。
・解析の結果、全体的には身体活動量が多いほど全死因死亡、心血管疾患による死亡、およびがんによる死亡のいずれのリスクも低い傾向が認められました。
・特に、一貫して非活動的な群と比較して、身体活動が一貫して多い群では全死因死亡リスクが29〜39%、途中から増加した群では22〜26%低く、心血管疾患による死亡リスクは30~40%低くなりました。
・一方で、身体活動の減少と死亡リスクの関連は明確ではありませんでした。
・また、がんによる死亡と身体活動との関連は弱く、結果の頑健性も低くなりました。
・さらに、身体活動に関するガイドラインの推奨を満たすことで全死因死亡リスクと心血管疾患による死亡リスクが低下するものの、推奨量を満たしていなくても継続的に身体活動を行っている場合や身体活動量が増加している場合でも、健康へのベネフィットは認められました。
以上より、成人期を通じて継続的に身体活動を行っている人は、成人期を通じて非活動的だった人に比べて、あらゆる原因による死亡リスクが29〜39%低いことが明らかになりました。
参考文献:
Physical activity trajectories and accumulation over adulthood and their associations with all-cause and cause-specific mortality: a systematic review and meta-analysis | British Journal of Sports Medicine
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓