肥満とがん死亡率に関連する血液がん
12/21/2025 10:00:00
今日のポイント
→日本人成人において、肥満が多発性骨髄腫および白血病(とくに骨髄性白血病)による死亡率の上昇と関連
日本人における肥満と血液腫瘍による死亡の関連を調査しました。北海道大学からの報告です。(PLoS One誌、2025年10月30日号)
わが国の多施設共同コホート研究であるJACC Studyの参加者9万7,073人を対象に、平均17年間追跡調査しました。自己申告の身長および体重からBMI(kg/m2)を算出し、低体重(18.5未満)、正常体重(18.5~24.9)、過体重(25.0~29.9)、肥満(30.0以上)の4群に分けました。血液腫瘍による死亡データは死亡診断書から取得しました。人口統計学的要因、生活習慣、社会経済的要因を調整したCox比例ハザードモデルを用いて、原因疾患別のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定しました。
・追跡期間中に479例が血液腫瘍により死亡し、うちリンパ腫が200例、多発性骨髄腫が107例、白血病が166例(骨髄性白血病106例を含む)でした。
・死亡リスクが正常体重群より肥満群で有意に高かったのは、血液腫瘍全体(HR:1.78、95%CI:1.02~3.11)、多発性骨髄腫(HR:2.75、95%CI:1.09~6.94)、白血病(HR:2.47、95%CI:1.07~5.69)、とくに骨髄性白血病(HR:3.89、95%CI:1.66~9.11)でした。
・BMIとリンパ腫による死亡率との間には有意な関連は認められませんでした。
以上より、日本人成人において、肥満が多発性骨髄腫および白血病(とくに骨髄性白血病)による死亡率の上昇と関連していることが明らかになりました。
参考文献:
Association between obesity and mortality from hematological malignancies among Japanese adults: The Japan Collaborative Cohort study | PLOS One
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