title

十代の肥満と将来の腎臓病リスク

3/21/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:十代に肥満であると45歳までに慢性腎臓病を発症するリスクが上昇する


十代に肥満であることと若年成人期(45歳未満)の腎臓病発症リスクを調査しました。ヘブライ大学(イスラエル)からの報告です。(JAMA Pediatrics、2023年12月11日)

image

1975年以降に生まれ、16~20歳時点でのBMIの記録と、徴兵検査時の腎機能関連データがそろっている59万3,660人(ベースラインの平均年齢17.2±0.5歳、男性54.5%)とし、イスラエル国内のデータを用いました。ベースライン時に腎臓病、アルブミン尿、高血圧、血糖異常の記録がある人は除外されている。肥満の有無と肥満の程度の判定は、米疾病対策センター(CDC)の基準に従い、年齢と性別が一致する集団でのパーセンタイルによって判定しました。早期CKDは、推定糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2以上で、中程度から重度のアルブミン尿が見られるステージ1~2のCKDと定義しました。
 
・男性は13.4±5.5年、女性は13.4±5.6年の追跡で、1,963人(0.3%)が早期慢性腎臓病(CKD)を発症しました。
・交絡因子を調整後、男性・女性ともに、BMIが正常高値のカテゴリーであっても、以下のように早期CKD発症ハザード比の有意な上昇が認められました。
・男性では正常高値BMIで1.8(95%信頼区間1.5~2.2)、過体重で4.0(同3.3~5.0)、軽度肥満で6.7(5.4~8.4)、重度肥満で9.4(6.6~13.5)。女性は正常高値BMIで1.4(1.2~1.6)、過体重で2.3(1.9~2.8)、軽度肥満で2.7(2.1~3.6)、重度肥満で4.3(2.8~6.5)でした。
・なお、追跡期間中に糖尿病や高血圧を発症した人を除外した解析でも、結果は同様でした。
 
以上より、十代後半のBMIが高いことと、若年成人期の早期CKDとの有意な関連が認められました。
 

参考:Adolescent Body Mass Index and Early Chronic Kidney Disease in Young Adulthood | Chronic Kidney Disease | JAMA Pediatrics | JAMA Network

この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓

PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 病気ブログへにほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へにほんブログ村 病気ブログ 新型コロナウイルス感染症へにほんブログ村 病気ブログ がんへ