食事の質や睡眠時間と抑うつ症状
12/26/2024 10:00:05
今日のポイント:特に女性の不健康な食生活と不健康な睡眠時間は抑うつ症状と関連する
食事の質、睡眠時間、抑うつ症状との関連およびこれらの複合的な影響を調査しました。中国・四川大学からの報告です。(BMC Public Health誌、2024年9月27日)
対象は、2007〜14年のNHANESデータから抽出された20歳以上の成人1万9,134人としました。不健康な食生活は、Healthy Eating Index-2015の平均スコア60パーセンタイル未満、不健康な睡眠時間は、夜間の睡眠時間が7時間未満または9時間以上としました。対象者をライフスタイル別に4群に分類し、分析には、関連変数をコントロールする重み付け多変量ロジスティック回帰を用いました。さらに、ロバスト性を評価し、潜在的な高リスク群を特定するため、層別化分析を行いました。
・全体のうつ病有病率は8.44%でした。
・健康的な睡眠時間の基準を満たした人は56.58%、健康的な食生活の基準を満たした人は24.83%でした。
・不健康な食生活および不健康な睡眠時間は、抑うつ症状と正の相関が認められました。
【不健康な食生活】オッズ比(OR):1.40、95%信頼区間(CI):1.18〜1.67、p<0.001
【不健康な睡眠時間】OR:1.94、95%CI:1.63〜2.31、p<0.001
・健康的な食生活と睡眠時間の基準を満たした人と比較し、いずれかまたは両方が不健康な人は、抑うつ症状と有意な関連が認められました。
【不健康な食生活+健康的な睡眠時間】OR:1.60、95%CI:1.20〜2.13、p=0.002
【健康的な食生活+不健康な睡眠時間】OR:2.50、95%CI:1.64〜3.80、p<0.001
【不健康な食生活+不健康な睡眠時間】OR:2.91、95%CI:2.16〜3.92、p<0.001
・層別分析では、女性、中年、大学卒業以上の学歴、推奨される身体活動レベルを満たしていない人は、不健康な食生活+不健康な睡眠時間により、抑うつ症状に対する感受性が上昇することが示唆されました。
以上より、不健康な食生活と不健康な睡眠時間の人、とくに女性、中年、大学卒業以上の学歴、推奨される身体活動レベルを満たしていない人は、抑うつ症状を呈しやすいことが示唆されました。
参考文献:
The association between dietary quality, sleep duration, and depression symptoms in the general population: findings from cross-sectional NHANES study | BMC Public Health | Full Text (biomedcentral.com)
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