2m以上離れていてもコロナ感染？

今日のポイント：換気不十分、一方向の空気の流れ、大声で歌う・話すなどは危険！
 

イギリスからの論文を紹介します。ヒト‐ヒト距離を2m以上離れることはコロナ感染拡大の予防に重要ですが、2m以上離れていても感染する例を研究したユニークな研究です。(2022年6月29日号、BMJ誌)

システマティック・レビューの研究のうち2020年1月1日～7月27日に発表された研究をスクリーニングし、2020年7月27日～2022年1月19日に発表された研究を検索、適格基準を満たした研究について分析しました(18件の研究)。また、適格基準は、屋内環境下で2mを超えた距離でもコロナに感染した事例の観察研究とし、濃厚接触または媒介物が主な感染経路と考えられる観察研究は除外しました。以下結果です。

•  18件中16件の研究では感染事例の一部あるいはすべてで、2mを超えてコロナ感染が発生した可能性があり、2件は不明でした。
• 16件の研究において、換気不十分、一方向の空気の流れ、大声で歌う・話すなどエアロゾルの放出が増加する活動のうち、1つ以上の要因により2mを超える距離でも感染する可能性が高まる可能性が示されました。
• また、13件の研究において主要症例は、無症状、症状発現前または感染時の発症前後であるものが報告されました。

以上のような結果となりました。これまでに室内で注意すべきとアナウンスされていた内容を裏付けるような研究報告となります。
東京を中心にコロナ再拡大が懸念されています。再度一人ひとりが行うべき行動をとる必要がありそうです。

  
参考：Long distance airborne transmission of SARS-CoV-2: rapid systematic review | The BMJ