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ストレスと若年女性の脳梗塞

5/15/2025 10:00:04

その他

今日のポイント:ストレスは若年女性の原因不明脳梗塞のリスク

50歳未満の女性における原因を特定できない脳梗塞(cryptogenic ischemic stroke;CIS)と、ストレスとの関連を調査しました。ヘルシンキ大学病院(フィンランド)からの報告です。(Neurology、2025年3月5日)

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本研究には欧州の19の医療機関が参加し、18~49歳の初発CIS患者群426人(年齢中央値41歳、女性47.7%)と、性別・年齢がマッチする脳卒中既往のない対照群426人を対象として、過去1カ月間に感じたストレスの程度を10項目の質問で評価しました。各質問には0~4の範囲で回答してもらい、合計点が13点以下は「低ストレス」、14~26点は「中ストレス」、27点以上は「高ストレス」と判定しました。
・患者群は対照群に比較して、中ストレス以上の割合が有意に高かくなりました(46.2対33.3%、P<0.001)。
・結果に影響を及ぼし得る因子(年齢、喫煙、肥満、非健康的食習慣、大量飲酒、運動不足、高血圧、心血管疾患、糖尿病、うつ病、前兆を伴う片頭痛、教育歴)を統計学的に調整した検討を実施し、ストレススコアが1点高いごとにCIS発症オッズ比(OR)が1.04(95%信頼区間1.01~1.07)であり、ストレスの強さとCISリスクとの独立した有意な関連が明らかになりました。
・ストレスの強さ別に解析すると、中ストレスは有意な関連が示されましたが(OR1.47〔同1.00~2.14〕)、高ストレスは非有意でした(OR2.62〔0.81~8.45〕)。
・性別に解析した場合、女性では有意な関連があり(OR1.06〔1.02~1.11〕)、特に中ストレスとの強い関連が認められました(OR1.78〔1.07~2.96〕)。
・一方、男性では関連が見られませんでした。

以上より、ストレスは若年女性の原因不明の脳梗塞リスクになり得ることが示されました。


参考文献:
Association Between Self-Perceived Stress and Cryptogenic Ischemic Stroke in Young Adults | Neurology

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