睡眠とうつ病
3/30/2023 10:00:03
メンタルヘルス
今日のポイント:不十分な睡眠時間と質はうつ病リスクを上昇させる
睡眠の時間や質およびその変化が抑うつ症状リスクに及ぼす影響を調べた研究を紹介します。韓国・Hallym University Dongtan Sacred Heart Hospitalからの報告です。(Journal of Affective Disorders誌オンライン版、2023年2月14日)

ベースライン時にうつ病を発症していない韓国人成人22万5,915人(平均年齢:38.5歳)を対象に平均4.0年間のフォローアップ調査を実施しました。睡眠の時間や質の評価には、ピッツバーグ睡眠質問票を用いました。抑うつ症状の評価には、うつ病自己評価尺度(CES-D)を用いました。
- フォローアップ期間中に抑うつ症状が認められた人は、3万104人でした。
- 睡眠時間7時間の人と比較したうつ病の多変量調整HR(ハザードリスク比)は、以下の通りでした。(95%CI=95%信頼区間)
【5時間以下】HR:1.15、95%CI:1.11~1.20
【6時間】HR:1.06、95%CI:1.03~1.09
【8時間】HR:0.99、95%CI:0.95~1.03
【9時間以上】HR:1.06、95%CI:0.98~1.14
- 睡眠の質が不良な人においても、同様の傾向が認められました。
- 睡眠の質が持続的に良好な人と比較し、持続的に不良な人(HR:2.13、95%CI:2.01~2.25)または低下した人(HR:1.67、95%CI:1.58~1.77)では、抑うつ症状発症リスクが高くなりました。
- 本研究の限界として、睡眠時間の報告が自己申告によるものである点が挙げられます。
- 睡眠の時間や質およびその変化は、若年成人の抑うつ症状と独立して関連しており、不十分な睡眠量や睡眠の質の低下がうつ病リスクと関連していることが示唆されました。
以上より、睡眠の時間や質およびその変化は、若年成人の抑うつ症状と独立して関連しており、不十分な睡眠や睡眠の質の低下がうつ病リスクと関連していることが示唆されました。
参考:Association of changes in sleep duration and quality with incidence of depression: A cohort study - ScienceDirect
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