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冬季入浴の突然死、気温との関係

11/28/2023 10:00:05

その他

今日のポイント:入浴関連死の90%以上が65歳以上の高齢者であり、16~20時と通常の入浴時間の死亡が約半数を占める


わが国では入浴関連死が諸外国に比べて頻度が高いという報告があります。そこで、その疫学的特徴を明らかにし予防につなげるために、鹿児島大学より鹿児島県における入浴関連死の検案記録を調査しました。(Scientific Reports誌、2023年2月8日)

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入浴関連死の疫学的特徴を明らかにするために、2006~19年までに起こった鹿児島県における死亡の検案記録を調査しました。
 
・2006~19年に入浴関連死は2,689例(男性1,375例、女性1,314例)発生し、交通事故死数(960例)の約2.8倍でした。
・年齢別には90%が65歳以上の高齢者で、自宅の浴槽内での発生がほとんどでした。
・発生時刻は、16~20時と通常の入浴時間が約半数を占めていました。
・入浴前に飲酒していた例は4.3%(115例)と少なく、高齢者の日常生活の中で突然起こっていることが判明しました。
・従来の報告のように冬季の発生が多く、12~2月に約半数が集中してみられました。
・入浴関連死が発生した日の各環境気温(最高気温、最低気温、平均気温、日内気温差)との関係を解析すると、入浴関連死の発生と最高気温、最低気温、平均気温との間には有意な負の相関がみられました。
・入浴関連死の発生率が有意に高くなる環境気温(冬季に限る)は、最高気温が9.0~19.0(中央値13.5)℃、最低気温は 0.0~13.0(中央値 3.0)℃、平均気温は 4.5~15.5(中央値 9.0)℃でした。
 
以上より、その結果、入浴関連死の90%以上が65歳以上の高齢者であり、16~20時と通常の入浴時間の死亡が約半数を占めていました。


参考:Development of prevention strategies against bath-related deaths based on epidemiological surveys of inquest records in Kagoshima Prefecture | Scientific Reports (nature.com)

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