若年性認知症患者は世界的に増加している
5/20/2025 10:00:04
今日のポイント:若年性認知症患者、過去30年間で2倍超
若年性のアルツハイマー病やその他の認知症(EOAD)と世界的な同疾患群の患者数の推移について調査しました。中国・Jinan University First Affiliated Hospitalからの報告です。(European Journal of Neurology誌、2025年3月号)

1990〜2021年の世界の疾病負担(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors:GBD)2021研究のデータを用いて、EOADの世界、地域、各国の負担を評価するため、本研究を実施しました。GBD2021のデータより、40〜64歳の成人データを抽出しました。主要アウトカムは、EOADの年齢調整罹患率、発生率、死亡率、障害調整生存年(DALY)、21地域および204ヵ国における年平均変化率(AAPC)としました。
・2021年のEOAD症例数は775万件(95%不確実性区間[UI]:5.82〜10.08)に達しており、1990年の367万件(95%UI:2.75〜4.76)から2倍超の増加が認められました。
・年齢調整罹患率は、1990年は10万人当たり341.2人(95%UI:255.89〜442.79)でしたが、2021年には363.5人へ増加しており、AAPCは0.26%でした(p<0.001)。
・2021年のEOAD有病率は、女性(428万人、95%UI:3.24〜5.56)のほうが男性(346万人、95%UI:2.57〜4.52)よりも高くなりました。
・2021年におけるEOADの死亡者数は0.07万人(95%UI:0.01〜0.23)、377万人(95%UI:1.69〜8.88)DALYでした。
・さらに、106万人DALYは、喫煙、空腹時血糖値の上昇、高BMIに起因していました。
以上より、40〜64歳における若年性のアルツハイマー病やその他の認知症の世界における症例数は、1990年から2021年にかけて、2倍超に増加していることが示されました。
参考文献:
Global, Regional, and National Burden of Early‐Onset Alzheimer's Disease and Other Dementias in Young Adults Aged 40–64 Years, 1990–2021: A Population‐Based Study - PMC
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓