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低炭水化物ダイエットとメタボの関係

4/11/2023 10:00:03

その他

今日のポイント:低炭水化物ダイエットはメタボになりやすい可能性


米国・オハイオ州立大学より、炭水化物の摂取量とメタボリックシンドローム(MetS)の関係についての研究をご紹介します。(Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics誌オンライン版、2023年3月23日号)

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1999~2018年の国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)の回答者から、食物と栄養摂取量とMetSのマーカーに関するデータを取得しました。そのデータを炭水化物・総脂肪・脂肪酸(飽和脂肪酸[SFA]、一価不飽和脂肪酸[MUFA]、および多価不飽和脂肪酸[PUFA])の摂取量で層別化し、MetSとの関連性を評価しました。
 
炭水化物からのエネルギーが45%未満を「炭水化物の摂取推奨量を下回る」、炭水化物からのエネルギーが45~65%を「炭水化物の摂取推奨量を満たす」と定義しました。MetSの診断基準は米国の診療ガイドラインに基づき、参加者をMetSと判定するには、8.5時間以上断食した朝に次の状態(腹囲の拡大、TG値の上昇、HDL-C値の低下、血圧上昇、血漿グルコース濃度の上昇)のうち3つが該当した場合としました。解析には多変量ロジスティック回帰モデルを用い、食事パターンとMetSの関連性をオッズ比で評価しました。

  • 本研究には20歳以上の妊娠・授乳していない1万9,078例の回答者が含まれ、炭水化物摂取量が推奨量を下回った群と満たした群の平均年齢はそれぞれ48歳でした。
  • 炭水化物の摂取量が推奨量を下回ったのは女性が半数以上(53%)で、推奨量を満たしている人よりも、エネルギーの割合としてより多くのアルコールを摂取していました。
  • 炭水化物の摂取量が推奨量を下回った人は、推奨量を満たした人に比べてMetSの有病率が1.067倍高くなりました(95%信頼区間[CI]:1.063~1.071、p<0.001)。
  • また、炭水化物の摂取量が推奨量を下回った人は、空腹時の血清TGが上昇し(0.865、95%CI:0.859~0.870、p<0.001)、空腹時血清HDL-Cが低い確率も少なくなりました(0.958、95%CI:0.955~0.962、p<0.001)。
  • 炭水化物の摂取量が推奨量を下回った群は総脂肪や脂肪酸の摂取量が多いほどMetSの有病率が高くなりました(総脂肪:1.271[95%CI:1.256~1.286]、SFA:1.072[95%CI:1.060~1.085]、MUFA:1.317[95%CI:1.300~1.333]、PUFA:1.056[95%CI:1.047~1.066]、すべてp<0.001)。

 
以上のように、炭水化物の摂取を通常よりも避けるとメタボになりやすくなる可能性が示されました。


参考:Carbohydrate Intakes below Recommendations with a High Intake of Fat Are associated with Higher Prevalence of Metabolic Syndrome - Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics (jandonline.org)

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