キノコと認知症
3/10/2024 10:00:05
今日のポイント:日本人女性ではキノコ摂取が認知機能障害リスクを低下
キノコの食事摂取と認知症リスクの関連を調査しました。筑波大学からの報告です。(The British Journal of Nutrition誌オンライン版、2024年1月19日)
1985~99年に毎年実施されていた心血管リスク調査に参加した3つの地域に在住する40~64歳の地域住民3,750人を対象に、プロスペクティブ研究を実施しました。認知症による障害が認められた事例を、1999~2020年に調査した。脳卒中の既往歴の有無にかかわらず、キノコの摂取量に応じた認知症発症数のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出しました。
・3,739人を平均16.0年フォローアップ調査したところ、障害を伴う認知症を発症した人は670人でした。
・女性では、キノコの摂取と認知症リスクの逆相関が認められました。この関連は、脳卒中の既往歴のない認知症に限定されていました。
・女性における認知症発症の多変量HRは、キノコを摂取していなかった人と比較し、キノコの摂取量が0.1~14.9g/日で0.81(95%CI:0.62~1.06)、15.0g/日以上で0.56(0.42~0.75)でした(p for trend=0.003)。
・脳卒中の既往歴のない認知症におけるハザード比は、キノコの摂取量が0.1~14.9g/日で0.66(95%CI:0.47~0.93)、15.0g/日以上で0.55(0.38~0.79)でした(p for trend=0.01)。
・男性では、キノコの摂取と認知症リスクとの関連が認められませんでした。
以上より、日本人女性において、キノコの食事摂取が認知機能障害リスクの低下と関連していることが示唆されました。
参考:Mushroom intake and risk of incident disabling dementia: the Circulatory Risk in Communities Study (CIRCS) | British Journal of Nutrition | Cambridge Core
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