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犬を飼うことで認知症予防は可能か?

11/1/2026 10:00:06

認知症

今日のポイント
→犬の飼育が、高齢者における生活機能障害を伴う認知症の発症に対して予防的な効果を持つ可能性

犬の飼育と要介護認知症の発症および死亡との関連を調査しました。国立環境研究所の谷口 優氏らからの報告です。(International Journal of Environmental Research and Public Health誌、2026年7月22日号)

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犬の飼育状況は、「現在飼育中」、「過去に飼育経験あり」、「飼育経験なし」の3つに分類しました。要介護認知症は、日本の介護保険制度における医師の判定に基づき定義し、死亡については約7.5年間のフォローアップ期間中に日本の人口動態統計を用いて確認しました。

・分析対象は、2016年に層別化ランダム抽出法によって選定された1万1,224人の高齢者でした。
・飼育経験なし群と比較し、現在飼育中群および過去に飼育経験あり群における要介護認知症発症のオッズ比(OR)は、それぞれ0.53(95%信頼区間[CI]:0.43〜0.66)および0.97(95%CI:0.86〜1.09)でした。
・死亡に関するORは、現在飼育中群で0.63(95%CI:0.51〜0.79)、過去に飼育経験あり群で0.88(95%CI:0.78〜0.99)でした。
・因果関係の分析では、飼育経験なし群と比較し、現在飼育中群(OR:0.52、95%CI:0.27〜0.98)および過去に飼育経験あり群(OR:0.75、95%CI:0.55〜1.03)において、認知症発症のORが低いことが明らかとなりました。
・死亡に関する同様の分析でも、ORは低かったが、飼育経験なし群と比較し、現在飼育中群(OR:0.59、95%CI:0.35〜1.01)および過去に飼育経験あり群(OR:0.77、95%CI:0.60〜1.00)において、統計的に有意な差は認められませんでした。
・費用対効果分析の結果、犬の飼育は、質調整生存年(QALY)において小さいながらもプラスの利益をもたらすことが示されました。
・公的支払者の視点からは、公費負担の医療費および介護費を削減しつつQALYを増加させる結果が得られました。
・また、犬の飼育にかかる個人的な費用をシナリオ分析に含めた場合、犬を飼育しない場合と比較した増分費用効果比(ICER)は、1QALY当たり674万4,174円でした。

以上より、犬の飼育が、高齢者における生活機能障害を伴う認知症の発症に対して予防的な効果を持つ可能性を示唆しています。


参考文献:
Investigating the Potential Protective Effect of Dog Ownership on Incident Disabling Dementia and Its Cost-Effectiveness

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