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世界の肥満、痩せの推移

4/7/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:肥満+痩せの複合有病率は、ポリネシア、ミクロネシア、カリブ海の島国、中東および北アフリカの国で最も高かった

低体重と肥満は、生涯を通じて有害な健康アウトカムと関連しています。国際共同疫学研究グループのNCD Risk Factor Collaboration(NCD-RisC)が、200の国と地域の成人ならびに学童/若年者における、低体重または痩せと肥満の複合有病率の1990~2022年の変化について調査しました。(Lancet誌オンライン版、2024年2月29日)

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研究グループは、200の国と地域における1990~2022年の、身長と体重の測定値がある地域住民を対象とした研究3,663件、合計2億2,200万例のデータを統合し、階層ベイズモデルを用いてメタ回帰分析を行いました。主要アウトカムは、低体重(20歳以上の成人)または痩せ(5~19歳の学童/若年者)と肥満それぞれの有病率、ならびに複合の有病率としました。成人では、BMI値18.5未満を痩せ、BMI値30以上を肥満、学童/若年者では、BMI値がWHO成長基準の中央値より2 SDを下回っている場合を痩せ、2 SDを上回っている場合を肥満と定義しました。
 
・1990~2022年に、成人における低体重+肥満の複合有病率が減少(観察された変化が真の減少である事後確率は少なくとも0.80)した国は、女性では11ヵ国(6%)、男性では17ヵ国(9%)でした。
・一方、複合有病率が増加(事後確率が少なくとも0.80)した国は、女性では162ヵ国(81%)、男性では140ヵ国(70%)であった。2022年において、低体重+肥満の複合有病率は、ポリネシア、ミクロネシア、カリブ海の島国、中東および北アフリカの国で最も高くなりました。
・2022年に、女性では177ヵ国(89%)、男性では145ヵ国(73%)において、肥満の有病率が低体重の有病率より高くなりました(事後確率は少なくとも0.80)が、女性で16ヵ国(8%)、男性で39ヵ国(20%)ではその逆でした。
・1990~2022年に、学童/若年者における痩せ+肥満の複合有病率は、女子では5ヵ国(3%)、男子では15ヵ国(8%)で減少(事後確率は少なくとも0.80)し、それぞれ140ヵ国(70%)および137ヵ国(69%)で増加(事後確率は少なくとも0.80)しました。
・2022年において、学童/若年者の痩せ+肥満の複合有病率が最も高かった国は、女子がポリネシア、ミクロネシア、カリブ海の島国、男子がポリネシア、ミクロネシア、カリブ海の島国、チリおよびカタールでした。
・インドやパキスタンなどの南アジアの一部の国でも、痩せが減少しているにもかかわらず複合有病率は高くなりました。
・2022年に、女子では133ヵ国(67%)、男子では125ヵ国(63%)で、学童/若年者の肥満の有病率が痩せの有病率より高く(事後確率が少なくとも0.80)、その逆はそれぞれ35ヵ国(18%)および42ヵ国(21%)でした。
・成人ならびに学童/若年者の両方において、ほぼすべての国で、二重負荷(低体重または痩せと肥満の複合有病率)の増加は肥満の増加によって、減少は低体重または痩せの減少によって引き起こされていました。
 
以上より、低体重または痩せ+肥満の複合有病率は、男女とも約7~8割の国や地域で増加していました。
 

参考:Worldwide trends in underweight and obesity from 1990 to 2022: a pooled analysis of 3663 population-representative studies with 222 million children, adolescents, and adults - The Lancet

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