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コーヒーは早食いによるメタボリックシンドロームを予防するか?

6/30/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:1日1杯のコーヒーで、早食いによるメタボリックシンドロームを予防できる可能性あり

日本人を対象として、コーヒーと早食いによるメタボリックシンドローム予防の関連性について調査しました。京都府立医科大学大学院医学研究科からの報告です。(Healthcare、2024年3月7日)

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「日本多施設共同コホート研究(J-MICC Study)」の京都における追跡調査(2013~2017年)に参加した3,881人(平均年齢57.5±9.9歳、女性2,498人、男性1,383人)を対象に行われました。「ろ過またはインスタントのコーヒー」と「缶、ペットボトル、パック入りのコーヒー」に分けて、コーヒー摂取量、食事のスピード(遅食い、普通、早食い)のほか、生活習慣や既往歴などが質問票により調査されました。

・対象者のうち、15.3%(595人)がメタボリックシンドロームに該当しました。
・また、早食いに該当した人は女性の33.8%(845人)、男性の39.8%(550人)でした。
・年齢や性別、運動・喫煙・飲酒、既往歴による影響を調整して、まずはコーヒー摂取量とメタボリックシンドロームとの関連が検討されました。
・その結果、ろ過またはインスタントのコーヒーでは、摂取量が1日1杯以上の人は1日1杯未満の人と比較して、メタボリックシンドロームのオッズが有意に低く(オッズ比0.695、95%信頼区間0.570~0.847)、男女別に見ても同様でした。
・一方、缶・ペットボトル・パック入りのコーヒーでは、女性に関して反対の結果が得られ、1日1杯以上の女性はメタボリックシンドロームのオッズが有意に高くなりました(同2.056、1.110~3.811)。
・食事のスピードとの関連については、早食いの人は遅食いの人と比べてメタボリックシンドロームのオッズが有意に高く(同1.689、1.227~2.324)、男女とも同様の結果でした。
・次に、ろ過またはインスタントのコーヒー摂取量と食事のスピードを組み合わせて、メタボリックシンドロームとの関連が分析されました。
・コーヒー摂取量が1日1杯未満で早食いの人と比べた結果、1日1杯未満で遅食いの人ではメタボリックシンドロームのオッズが有意に低くなりました(同0.502、0.296~0.851)。
・一方、コーヒーを1日1杯以上飲む人では、遅食い(同0.448、0.289~0.693)、普通(同0.482、0.353~0.658)、早食い(同0.684、0.499~0.936)のいずれの場合でも、メタボリックシンドロームのオッズが有意に低いことが明らかとなりました。

以上より、ろ過またはインスタントのコーヒーを1日1杯以上飲むことで、早食いによるメタボリックシンドロームの予防に役立つ可能性が示唆されました。


参考文献:Healthcare | Free Full-Text | One Cup of Coffee a Day Modulates the Relationship between Metabolic Syndrome and Eating Fast: A Cross-Sectional Study (mdpi.com)

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