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高齢者の抑うつ症状改善とベンゾジアゼピン系薬剤

10/17/2024 10:00:00

メンタルヘルス

今日のポイント:高齢者のベンゾジアゼピン中止、長期的な抑うつ症状改善


ベンゾジアゼピン(BZD)の使用と抑うつ症状、不安、睡眠の質に及ぼす影響を調査しました。カナダ・ケベック大学からの報告です。(Aging & Mental Health誌オンライン版、2024年7月2日号)

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大規模ランダム化比較試験(RCT)であるPASSE-60+研究よりデータを抽出しました。60歳以上の参加者73例を対象に、4ヵ月間の中止プログラムを実施し、16ヵ月で4回の評価を行いました。BZD使用の変化は、2回の評価時における1日当たりの投与量の差と定義しました。コントロール変数は、RCT中止群、プログラム開始前でのBZD使用および抑うつ症状、不安、睡眠の質のいずれかとしました。データ分析には、階層的多重回帰分析を用いました。

・短期的には、中止プログラム直後にBZDの使用量減量に伴い、睡眠の質の悪化がみられました。
・この関連は、3ヵ月および12ヵ月のフォローアップ調査において有意差は消失しました。
・長期的には、BZD使用量減量に伴い、抑うつ症状の軽減が認められました。
・すべての評価時点において、BZD使用量と不安の強さとの関連は認められませんでした。

以上より、BZD中止により、高齢者の抑うつ症状改善の可能性が示唆されました。


参考文献:
Full article: Long-term effects of benzodiazepine discontinuation among older adults: potential improvements on depressive symptoms (tandfonline.com)

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