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コロナワクチンと帯状疱疹

12/1/2022 10:00:03

新型コロナ

今日のポイント:コロナワクチンによる帯状疱疹のリスク上昇なし
 

新型コロナワクチン接種後に帯状疱疹が発症したとする報告が散見されますが、実際はどうなのでしょうか?米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校からの調査結果を報告します。(JAMA Network Open誌、2022年11月16日)

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新型コロナワクチン接種後30日目または2回目接種日までのリスク期間と、新型コロナワクチン最終接種日から60~90日のコントロール期間(リスク期間とコントロール期間の間に30日間を確保)における帯状疱疹の発症リスクを比較しました。
また、新型コロナワクチン接種後の帯状疱疹リスクを、パンデミック以前(2018年1月1日~2019年12月31日)もしくはパンデミック初期(2020年3月1日~11月30日)にインフルエンザワクチンを接種した2つの研究におけるインフルエンザワクチン接種後の帯状疱疹リスクと比較しました。2020年12月11日~2021年6月30日に、ファイザー製ワクチン(BNT162b2)、モデルナ製ワクチン(mRNA-1273)、ヤンセン製ワクチン(Ad26.COV2.S)のいずれかを接種した203万9,854人のデータを分析しました。

  • 203万9,854人の平均年齢(SD)は43.2(16.3)歳で、女性が50.6%、白人が65.9%でした。
  • このうち、帯状疱疹と診断された1,451人が自己対照リスク期間分析の対象で、平均年齢(SD)は51.6(12.6)歳、女性が58.2%でした。
  • 自己対照リスク期間分析において、新型コロナワクチン接種は帯状疱疹のリスク上昇と関連しませんでした(発生率比[IRR]:0.91、95%信頼区間[CI]:0.82~1.01、p=0.08)。
  • ファイザー製ワクチン接種では帯状疱疹リスクが低下し(IRR:0.84、95%CI:0.73~0.97、p=0.02)、モデルナ製ワクチン接種は帯状疱疹リスクとの関連は認められませんでした(IRR:0.96、95%CI:0.81~1.15、p=0.67)。
  • 新型コロナワクチン接種は、パンデミック以前のインフルエンザワクチン接種と比べて帯状疱疹リスクが低くなりました。

  - 1回目接種のハザード比(HR):0.78、95%CI:0.70~0.86、p<0.001
  - 2回目接種のHR:0.79、95%CI:0.71~0.88、p<0.001

  • また、パンデミック初期のインフルエンザ接種とは有意差が認められませんでした。

  - 1回目接種のHR:0.89、95%CI:0.80~1.00、p=0.05
  - 2回目接種のHR:0.91、95%CI:0.81~1.02、p=0.09
 
以上より、新型コロナワクチン接種後の帯状疱疹の発生率比が0.91であり、本研究では帯状疱疹リスクの増加と関連していないことが示唆されました。


参考:Assessment of Herpes Zoster Risk Among Recipients of COVID-19 Vaccine | Infectious Diseases | JAMA Network Open | JAMA Network

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