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統合失調症と2型糖尿病

1/2/2025 10:00:04

その他

今日のポイント:統合失調症歴と2型糖尿病リスク増加との間に有意な関連あり


統合失調症と2型糖尿病リスクとの潜在的な関連性を評価しました。中国・済寧医学院からの報告です。(Frontiers in Endocrinology誌、2024年9月11日)

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MeSH(Medical Subject Headings)と関連キーワードを用いて、PubMed、Cochrane Library、Embase、Web of Scienceより包括的に検索した。コホート研究およびケースコントロール研究におけるバイアスリスクの評価にはニューカッスル・オタワ尺度(NOS)、横断研究にはAHRQ(Agency for Healthcare Research and Quality scale)を用い、スコアは元の研究の内容に基づきました。p>0.1かつI2が50%以下の場合、異質性が低いことを示す固定効果モデルを採用しました。I2が50%超の場合、異質性が大きいことを示すランダム効果モデルを用いました。出版バイアスは、ファンネルプロットとEgger検定を用いて評価し、統計分析には、Stata統計ソフトウェアバージョン14.0を用いました。

・2004〜23年に公表された32件の観察研究(統合失調症患者:200万7,168例、非統合失調症患者:3,588万3,980例)をメタ解析に含めました。
・統合分析では、統合失調症歴と2型糖尿病リスク増加との間に有意な関連が認められました(オッズ比[OR]:2.15、95%信頼区間[CI]:1.83〜2.52、I2=98.9%、p<0.001)。
・女性の統合失調症患者(OR:2.12、95%CI:1.70〜2.64、I2=90.7%、p<0.001)は、男性患者(OR:1.68、95%CI:1.39〜2.04、I2=91.3%、p<0.001)と比較し、2型糖尿病リスクが有意に高くなりました。
・WHO地域別では、EURO(欧州)は、WPRO(西太平洋)およびAMRO(米国)と比較し、2型糖尿病リスクが有意に高くなりました。
【EURO】OR:2.73、95%CI:2.23〜3.35、I2=97.5%、p<0.001
【WPRO】OR:1.72、95%CI:1.32〜2.23、I2=95.2%、p<0.001
【AMRO】OR:1.82、95%CI:1.40〜2.37、I2=99.1%、p<0.001
・フォローアップ期間では、20年超の群は、10〜20年の群および10年未満の群と比較し、2型糖尿病リスクが有意に高くなりました。
【20年超】OR:3.17、95%CI:1.24〜8.11、I2=99.4%、p<0.001
【10〜20年】OR:2.26、95%CI:1.76〜2.90、I2=98.6%、p<0.001
【10年未満】OR:1.68、95%CI:1.30〜2.19、I2=95.4%、p<0.001

以上より、統合失調症と糖尿病発症リスク増加との間に強い相関が示されており、統合失調症が2型糖尿病の独立したリスク因子である可能性が示唆されました。


参考文献:
Schizophrenia and type 2 diabetes risk: a systematic review and meta-analysis - PMC

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