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コロナワクチン接種者 vs. 未接種者、死亡率

3/5/2023 10:00:03

新型コロナ

今日のポイント:特に高齢者においてワクチンは死亡率を大きく下げる
 

米国疾病予防管理センター(CDC)より、12 歳以上に対する新型コロナウイルスワクチンの効果について、接種者と未接種者の比較調査を行いました。(Morbidity and Mortality Weekly Report 誌、2023 年 2 月 10 日号)

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2021 年 10 月 3 日~2022 年 12 月 24 日の期間(このうち 2022 年 9 月 1 日以降は 2 価ワクチンのブースター接種推奨)で、米国の 24 地域における COVID-19 罹患 2,129 万6,326 例、および COVID-19 関連死 11 万 5,078 例のデータを基に、1 価および 2 価のコロナワクチンの効果を評価しました。
調査期間を、デルタ期(2021 年 10 月 3 日~12 月 18 日)、オミクロン BA.1 期(2021 年12 月 19 日~2022 年 3 月 19 日)、BA.2 期(3 月 20 日~6 月 25 日)、BA.4/BA.5 前期(6 月 26 日~9 月 17日)、BA.4/BA.5 後期(9 月 18 日~12 月 24 日)に層別化しました。さらに年齢層別(12~17 歳、18~49 歳、50~64歳、65~79 歳、80 歳以上)、および最後にブースター接種を受けてからの期間別に、人口 10 万人当たりの週平均の感染率と死亡率を、ワクチン未接種者とブースター接種者で比較し、感染率比と死亡率比(rate ratio:RR)を算出しました。

  • すべての期間において、10 万人当たりの週平均の感染数と死亡数は、ワクチン未接種者(範囲:感染 216.1~1,256.0、死亡 1.6~15.8)のほうが 1 価ワクチン接種者(範囲:感染 86.4~487.7、死亡:0.3~1.4)より常に高くなりました。
  • BA.4/BA.5 後期では、ワクチン未接種者のコロナ関連死亡率は、2 価ワクチンブースター接種者と比較して 14.1 倍、感染率は 2.8 倍高く、1 価ワクチンブースター接種者と比較して 5.4 倍、2.5 倍高くなりました。
  • BA.4/BA.5 後期では、とくに高齢者において、ワクチン未接種者と接種者のコロナ関連死亡率の差が大きくなりました。
  • ワクチン未接種者の死亡率は、2 価ブースター接種者と比較して、65~79 歳で 23.7倍、80 歳以上で 10.3 倍高く、1 価ブースター接種者と比較して、65~79 歳で 8.3 倍、80歳以上で 4.2 倍高くなりました。
  • ブースター接種後の期間で層別化した解析では、ワクチン未接種者の死亡率は、1 価ブースター接種を 2 週間~2 ヵ月以内に受けた人と比較して、デルタ期は 50.7 倍高くなりましたが、BA.4/BA.5 前期では 7.4 倍まで差が縮まりました。
  • BA.4/BA.5 前期では、1 価ブースター接種後 6~8 ヵ月(RR:4.6)、9〜11 ヵ月(RR:4.5)、12 ヵ月以上(RR:2.5)で死亡予防効果の低下が認められました。
  • 一方、BA.4/BA.5 後期では、2 週間~2 カ月以内に 2 価ブースター接種を受けた人のほうが死亡予防効果が高くなりました(RR:15.2)。


2 価ワクチン接種者は、1 価ワクチン接種者やワクチン未接種者と比べて、感染に対する予防効果が高く、とくに高齢者では死亡に対する予防効果が未接種者の 10.3~23.7 倍と有意に高いことが示されました。


参考:COVID-19 Incidence and Mortality Among Unvaccinated and Vaccinated Persons Aged ≥12 Years by Receipt of Bivalent Booster Doses and Time Since Vaccination — 24 U.S. Jurisdictions, October 3, 2021–December 24, 2022 | MMWR (cdc.gov)

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