小児・青少年に対するコロナワクチン効果
12/22/2022 10:00:03
新型コロナ
今日のポイント:新型コロナウイルス感染関連死に対する予防効果は高値
オミクロン株優勢期における小児・青少年に対するコロナワクチンの予防効果はどの程度あるのでしょうか?今回はアルゼンチンから報告された最新の研究をご紹介します。(BMJ誌、2022年11月30日)
アルゼンチンの国内データベースと、ワクチン登録を基に、診断陰性例コントロール試験を行い、小児(3~11歳)・青少年(12~17歳)へのコロナワクチン2回接種の、新型コロナウイルス感染症や新型コロナウイルス感染関連死に対する有効性を推定し評価しました。
対象は、2回のワクチン接種者で、新型コロナウイルス感染歴がなく、2021年9月~2022年4月にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査または迅速抗原検査を受けた3~17歳、84万4,460例としました。マッチング対照の照合を行い、23万1,181例のケースのうち13万9,321例(60.3%)について解析を行いました。
- 主要評価項目は、新型コロナウイルス感染と同関連死だった。条件付きロジスティック回帰分析で、ワクチン2回接種者の非接種者に対するオッズ比(OR)を推算しました。
- デルタ株優勢期間の新型コロナウイルス感染に対するワクチン2回接種の有効率は、小児が61.2%(95%信頼区間[CI]:56.4~65.5)、青少年が66.8%(63.9~69.5)でした。
- 一方で、オミクロン変異株優勢期間は、それぞれ15.9%(13.2~18.6)、26.0(23.2~28.8)でした。
- ワクチン有効性は、接種後、日数経過とともに低下し、とくにオミクロン変異株優勢期間の低下は急激で、小児では、接種後15~30日で37.6%(95%CI:34.2~40.8)でしたが、60日以降では2.0%(1.8~5.6)へと低下し、青少年ではそれぞれ55.8%(52.4~59.0)から12.4%(8.6~16.1%)への低下が認められました。
- 一方で、オミクロン株優勢期間の、新型コロナウイルス感染関連死に対するワクチン有効率は、小児が66.9%(95%CI:6.4~89.8)、青少年が97.6%(81.0~99.7)でした。
以上のように、新型コロナウイルス感染関連死の予防効果は期待できると言えます。
参考:Effectiveness of mRNA-1273, BNT162b2, and BBIBP-CorV vaccines against infection and mortality in children in Argentina, during predominance of delta and omicron covid-19 variants: test negative, case-control study | The BMJ
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓