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統合失調症患者の平均寿命が17年短い理由は?

11/9/2025 10:00:04

その他

今日のポイント
→統合失調症は、主に予防可能な身体疾患や暴力的な死因により、早期死亡率の上昇と関連

統合失調症患者の死亡率は、一般人口に比べて平均余命が15~20年短縮するといわれていますが、その原因を調査しました。ルーマニア・Transilvania University of Brasovからの報告です。(Schizophrenia (Heidelberg, Germany)誌、2025年8月29日号)

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2010〜13年に入院した統合失調症患者635例を対象に、10年間フォローアップ調査を実施しました。死亡率、死因、リスク因子は、Cox回帰モデルおよび標準化死亡比(SMR)を用いて評価しました。

・フォローアップ期間中に死亡した患者は123例(19.37%)、1,000人年当たり21.3例でした。
・ルーマニアの一般人口と比較したSMRは1.58であり、統合失調症患者の死亡リスクが有意に高いことが示唆されました。
・死因は、非暴力的な死因が優勢で、心血管疾患(27.64%)および感染症(17.07%)が最も多くなりました。
・自殺や事故を含む暴力的な死因は、全死亡率の17.07%を占めました。
・死亡時の平均年齢は58.97歳であり、平均寿命の17年短縮が認められました。
・年齢は死亡率の最も強い独立予測因子でした(ハザード比[HR]:1.07、p<0.001)。
・第2世代抗精神病薬の使用(HR:0.37、p<0.001)および入院頻度の低さ(HR:0.09、p<0.001)は、全死亡率および原因別死亡率の低下と有意な関連が認められました。

以上より、統合失調症は、主に予防可能な身体疾患や暴力的な死因により、早期死亡率の有意な上昇と関連していることが示唆されました。


参考文献:
What is behind the 17-year life expectancy gap between individuals with schizophrenia and the general population? | Schizophrenia

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