家事関与と認知症
11/11/2025 10:00:00
今日のポイント
→家事関与を維持することで認知機能低下を抑制できる
65歳以上の米国人を対象に、家事頻度の変化が認知機能に及ぼす影響を評価しました。米国・カリフォルニア大学からの報告です。(The Permanente Journal誌オンライン版、2025年9月10日号)
Health and Retirement Studyに参加した65歳以上の米国人8,141例のデータを分析しました。2008~10年の家事頻度の変化を「一貫して高い」「低から高へ変化」「高から低へ変化」「一貫して低い」の4つに分類し、評価しました。認知機能は、2010~18年に複合スコア(範囲:0~35)を用いて測定し、混合効果線形回帰モデルを用いて評価しました。
・参加者の年齢中央値は75±6.6歳、女性の割合は59.3%でした。
・家事頻度が「高から低へ変化」「一貫して低い」と回答した人は、「一貫して高い」と回答した人と比較し、認知機能低下との関連が認められました(各々、0.079[95%信頼区間[CI]:-0.117~−0.042]、0.090[95%CI:-0.126~-0.054])。
・家事頻度が「低から高へ変化」と回答した人と「一貫して高い」と回答した人との認知機能低下は、統計的に有意な差が認められませんでした(β=-0.027[95%CI:−0.074~0.019]、p=0.252)。
・この関連性は、女性と男性で同様であり(Pinteraction=0.765)、80歳以上と65~79歳でも同様でした(Pinteraction=0.069)。
以上より、高齢期に家事への関与が低い状態から高い状態に移行するか、一貫して高い状態を維持することは、性別や年齢にかかわらず、認知機能の低下を遅らせる可能性が示唆されました。
参考文献:
Changes in Housework Frequency and Subsequent Cognitive Function and Rate of Decline Among Adults Aged ≥ 65 in the United States, 2008–2018 | The Permanente Journal
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