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日本人の片頭痛と日常生活の影響

3/28/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:片頭痛によって人間関係に影響を与える割合は3割超


日本人の片頭痛患者を対象に、日常生活活動や基本的な健康指標(睡眠、メンタルヘルス)など、日常生活に及ぼす影響を詳細に調査しました。鳥取県済生会境港総合病院からの報告です。(Neurology and Therapy誌、2024年2月号)

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日本における片頭痛に関する横断的疫学調査(OVERCOME研究)は、2020年7~9月に実施されました。片頭痛による家事、家族/社交/レジャー活動、運転、睡眠への影響は、片頭痛評価尺度(MIDAS)、Migraine-Specific Quality of Life(MSQ)、Impact of Migraine on Partners and Adolescent Children(IMPAC)scales、OVERCOME研究のために作成したアンケートを用いて評価を行いました。片頭痛のない日の負担を評価するため、Migraine Interictal Burden Scale(MIBS-4)を用いました。抑うつ症状および不安症状の評価には、8項目の患者健康質問票うつ病尺度(PHQ-8)、7項目の一般化不安障害質問票(GAD-7)をそれぞれ用いました。日常生活への影響は、MIDAS/MIBS-4カテゴリで評価しました。
 
・片頭痛を有する1万7,071例のうち、定期的に家事援助を必要とした人の割合は24.8%でした。
・片頭痛により人間関係、余暇活動、社会活動に支障を来した人は、それぞれ31.8%、41.6%、18.0%でした。
・頭痛が起こる日の間に、社交/レジャー活動の予定を立てることを少なくとも時々心配する人の割合は、26.8%でした。
・家族と同居している人(1万3,548例)では、片頭痛により家族活動への参加や家族との楽しみにも影響がみられました。
・運転経験のある人(1万921例)のうち、症状により運転が妨げられると報告した人の割合は、43.9%でした。
・片頭痛により睡眠が妨げられた人は52.7%、気分が低下した人は70.7%でした。
・PHQ-8の閾値を満たした臨床的うつ病の割合は28.6%、GAD-7の閾値を満たした臨床的不安症の割合は22.0%でした。
・日常生活に対する片頭痛の影響は、MIDAS/MIBS-4カテゴリの重症度が増加するほど強力でした。
 
以上より、日本人の片頭痛患者にとって、日常生活、睡眠、メンタルヘルスへの負担は大きいことが示唆されました。
 

参考:Impact of Migraine on Daily Life: Results of the Observational survey of the Epidemiology, Treatment, and Care of Migraine (OVERCOME [Japan]) Study - PMC (nih.gov)

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