コーヒーの1日摂取量と死亡率、砂糖入りvs.砂糖なし
7/22/2025 10:00:00
今日のポイント:ブラックコーヒーおよび添加された砂糖や飽和脂肪量が少ないコーヒーでのみ全死亡リスク低下
コーヒーの砂糖入りや飽和脂肪(saturated fat)の添加が健康に与える影響について調査しました。米国・タフツ大学からの報告です。(The Journal of Nutrition誌オンライン版、2025年5月12日号)

本研究では、1999~2018年までの米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータと、国民死亡記録(National Death Index)の死亡データをリンクさせて解析が行われました。24時間思い出し法による有効な食事調査結果を有する20歳以上の4万6,332人が対象となりました。コーヒー摂取は、種類(カフェイン入りまたはデカフェ)、砂糖量(8オンス[約240mL=1杯と定義]当たり<2.5gまたは≧2.5g)および飽和脂肪量(1杯当たり<1gまたは≧1g)に基づいて分類しました。死亡アウトカムには、全死亡のほか、がんおよび心血管疾患(CVD)による死亡が含まれました。Cox比例ハザードモデルを用いて、コーヒーの種類、摂取量(非摂取者、<1杯/日、1〜<2杯/日、2〜<3杯/日、≧3杯/日)、および添加された砂糖および飽和脂肪の量(ブラック、LSLF[1杯当たり砂糖<2.5g/飽和脂肪<1g]、LSHF[同<2.5g/同≧1g]、HSLF[同≧2.5g/同<1g]、HSHF[同≧2.5g/同≧1g])に基づく死亡リスクについて、ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定しました。
・追跡期間中央値9.3〜11.3年を通じて7,074人の死亡が確認され、がんによる死亡は1,176人、CVDによる死亡は1,089人でした。
・非摂取者と比較して、コーヒー摂取量の多さは全死亡リスク低下と関連していました(<1杯/日でHR:0.89[95%CI:0.78~1.02]、1〜<2杯/日で0.84[0.77~0.92]、2〜<3杯/日で0.83[0.75~0.93]、≧3杯/日で0.85[0.77~0.95]、傾向のp=0.004)。
・コーヒー摂取量と全死亡リスク(非線形のp<0.001)およびCVD死亡リスク(非線形のp=0.02)との間には、非線形の逆相関が認められました。
・一方、がん死亡リスクとの間には有意な関連は認められませんでした。
・また、カフェイン入りコーヒー摂取量との間には同様の関連が認められましたが、デカフェコーヒー摂取量との間には認められませんでした。
・コーヒーに添加された砂糖や飽和脂肪の量別にみると、全死因死亡に対するベネフィットは、ブラックコーヒー(HR:0.86[95%CI:0.77~0.97])およびLSLFコーヒー(HR:0.86[0.75~0.99])の摂取者に限定されていました。
以上より、ブラックコーヒーおよび添加された砂糖や飽和脂肪量が少ないコーヒーでのみ全死亡リスク低下する可能性が示されました。
参考文献:
Coffee Consumption and Mortality among United States Adults: A Prospective Cohort Study - ScienceDirect
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