健康な60歳以上と心臓弁膜症
9/24/2024 10:00:05
今日のポイント:健康で無症状の60歳以上、4人に1人以上が心臓弁膜症あり
健康な60歳以上の人における心臓弁膜症の割合を調査しました。英イースト・アングリア大学からの報告です。(European Heart Journal-Cardiovascular Imaging、2024年6月26日)
英国に居住する心臓弁膜症の診断を受けたことのない60歳以上の男女4,237人(平均年齢69.1歳、女性54.2%)を対象に、心臓弁膜症の有病率と無症候性の心臓弁膜症に関連する因子の評価を行いました。研究参加者は健康に関する質問票に回答した後、診察と心臓超音波検査(心エコー検査)を受けました。
・研究参加者の28.2%(1,195人)に心臓弁膜症が見つかりました。
・ただし、中等症~重症の心臓弁膜症が見つかった人の割合はわずか2.4%(101人)でした。
・心臓弁膜症の有病率は年齢層が上がるごとに上昇しており、例えば60〜64歳で21.2%、70〜74歳で31.5%、85歳以上で53.6%でした。
・多変量回帰分析からは、臨床的に重要な心臓弁膜症と関連する唯一のパラメーターは年齢であることが示されました(1歳増加するごとの心臓弁膜症発症のオッズ比は1.07、P<0.001)。
・臨床的に重要な心臓弁膜症を1例診断するために必要な心エコー検査の実施件数は60歳以上の人の場合は42回、75歳以上の人の場合は15回であることも示されました。
以上より、健康で症状もない60歳以上の人の4人中1人以上に未診断の心臓弁膜症の可能性があることが示唆されました。
参考文献:Prevalence of asymptomatic valvular heart disease in the elderly population: a community-based echocardiographic study | European Heart Journal - Cardiovascular Imaging | Oxford Academic (oup.com)
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