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ワクチン未接種のコロナ感染、急性期の死亡リスク〇〇倍?!

2/7/2023 10:00:03

新型コロナ

今日のポイント:ワクチン未接種で急性期の心血管リスク、全死亡リスクを 80 倍以上に上昇
 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の心血管疾患(CVD)発症リスクや全死亡リスクに及ぼす短期的および長期的な影響を検討した研究を紹介します。中国・香港大学の研究グループの発表です。(Cardiovascular Research 誌、2023 年 1 月 19 日)

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英国において 2020 年 3 月~11 月に COVID-19 に感染した患者 7,584 例(感染群)を感染から最長 18 ヵ月後まで前向きに追跡しました。年齢と性別をマッチングさせた同時期の非感染対照 7 万 5,790 人(同時期対照群)、2018 年 3 月~11 月の非感染対照 7 万 5,774人(過去対照群)と CVD 発症リスク、全死亡リスクなどを急性期と急性期後(感染から22 日後以降)に分けて比較しました。英国では 2020 年 3 月~11 月において使用可能な新型コロナウイルスワクチンは存在しなかったため、本試験の対象者はワクチン未接種でした。

  • 急性期の主要な CVD(心不全、脳卒中、冠動脈心疾患)発症リスクは、感染群が同時期対照群の 4.3 倍(ハザード比[HR]:4.3、95%信頼区間[CI]:2.6~6.9)、過去対照群の5.0 倍(HR:5.0、95%CI:3.0~8.1)でした。
  • 急性期において、脳卒中、心房細動、深部静脈血栓症(DVT)のリスクも感染群が同時期対照群(それぞれ 9.7 倍、7.5 倍、22.1 倍)および過去対照群(それぞれ 5.0 倍、5.9倍、10.5 倍)と比べて高くなりました。
  • 急性期の全死亡リスクは、感染群が同時期対照群の 81.1 倍(HR:81.1、95%CI:58.5~112.4)、過去対照群の 67.5 倍(HR:67.5、95%CI:49.9~91.1)でした。
  • 急性期後の主要な CVD 発症リスクは、感染群が同時期対照群の 1.4 倍(HR:1.4、95%CI:1.2~1.8)、過去対照群の 1.3 倍(HR:1.3、95%CI:1.1~1.6)でした。
  • 急性期後の全死亡リスクは、感染群が同時期対照群の 5.0 倍(HR:5.0、95%CI:4.3~5.8)、過去対照群の 4.5 倍(HR:4.5、95%CI:3.9~5.2)でした。
  • 感染群において、急性期には有意な上昇がみられなかった心膜炎発症リスクが急性期後では上昇していました。
  • 急性期後の心膜炎発症リスクは、感染群が同時期対照群の 4.6 倍(HR:4.6、95%CI:2.7~7.7)、過去対照群の 4.5 倍(HR:4.5、95%CI:2.7~7.7)でした。


以上のように、ワクチン未接種のCOVID-19 感染は急性期(感染から 21 日後まで)のCVD 発症リスク、全死亡リスクを大きく上昇させていました。


参考:Association of COVID-19 with short- and long-term risk of cardiovascular disease and mortality: a prospective cohort in UK Biobank | Cardiovascular Research | Oxford Academic (oup.com)

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