炭水化物摂取量と死亡リスク
6/25/2023 10:00:04
その他
今日のポイント:男性では炭水化物の摂取量が少ないと死亡リスクが高くなり、女性では炭水化物の摂取量が多いと死亡リスクが高くなる傾向あり
炭水化物や脂質の摂取量と死亡リスクの関連を調べました。名古屋大学大学院医学系研究科予防医学分野からの報告です。(The Journal of Nutrition誌オンライン版、2023年6月2日号)
35~69歳の男性3万4,893人、女性4万6,440人(それぞれBMI値[平均値]23.7、22.2)をベースライン時(2004~14年)から2017年末または2018年末まで追跡しました。食事頻度質問票を用いて炭水化物、脂質、総エネルギー摂取量を推定しました。総エネルギー摂取量に占める炭水化物、脂質の割合(炭水化物エネルギー比率、脂質エネルギー比率)別に死亡リスクを評価しました。リスク評価において、多変量解析により調整ハザード比(aHR)と95%信頼区間(CI)を推定しました。
- 追跡期間(平均8.9年)中に、2,783人の死亡が確認されました(男性1,838人、女性945人)。
- 男性では、炭水化物エネルギー比率が40%未満の群は、50%以上55%未満の群と比較して全死亡リスクが有意に高く(aHR:1.59、95%CI:1.19~2.12)、炭水化物エネルギー比率が低いと全死亡リスクが高くなる傾向がみられました(p for trend=0.002)。
- 追跡期間5年以上の女性では、炭水化物エネルギー比率が65%以上の群は、50%以上55%未満の群と比較して全死亡リスクが高い傾向にあり(HR:1.71、95%CI:0.93~3.13)、炭水化物エネルギー比率が高いと全死亡リスクが高くなる傾向がみられました(p for trend=0.005)。
- 男性では、脂質エネルギー比率が35%以上の群は、20%以上25%未満の群と比較してがん死亡リスクが高くなりました(HR:1.79、95%CI:1.11~2.90)。
- 女性では、脂質エネルギー比率と全死亡リスク、がん死亡リスクに逆相関の傾向がみられました(それぞれp for trend=0.054、0.058)。
以上より、男性では炭水化物の摂取量が少ない場合、女性では炭水化物の摂取量が多い場合、死亡リスクが高くなる傾向がみられました。
参考:Dietary Carbohydrate and Fat Intakes and Risk of Mortality in the Japanese Population: the Japan Multi-Institutional Collaborative Cohort Study - ScienceDirect
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓