コロナと子供の学習時間
2/27/2022 9:30:02
新型コロナ
今日のポイント:コロナ禍で子供の学力が低下した可能性あり
コロナ禍は子供の教育にどの程度影響を及ぼしたのでしょうか。今回は独立行政法人経済産業研究所から公表されたネットアンケートの結果を参考に考えてみたいと思います。小学生~高校生までの子供をもつ世帯の親2000人から集計しました。
- コロナ前から世帯年収別・世帯構造別による成績の差、世帯状況による成績の差は存在していました。(図1)

- コロナ感染症の流行による臨時休校の影響で、子供の学習時間は大きく低下しましたが、とりわけもともと学力の低い子ほど低下する傾向を示しました。(図2)これは、もともと学力が一定以上の家庭はオンライン学習などを上手に利活用して、学習時間を確保できていた可能性があるためです。

- 次に、臨時休校が長引くにつれて、全体的に学習時間は低下しました。その際に、成績が真ん中よりも上だった子供も次第に大きく勉強時間が低下しました。(図3)

以上より、臨時休校が開始されると、はじめはもともと学力の低い子供ほど学習時間の短縮を認めましたが、休校期間が長引くにつれて真ん中より上の学力の子供も含めて全体に学習時間が短縮していたことがわかりました。
今回の調査は、コロナ禍と学習時間の関係を述べているものに過ぎませんが、学習時間と学力は一定の相関関係があることが考えられるので、子供の学力が全体に低下した可能性は否定できません。
コロナによる影響は子供の学力にも影響を与えているかもしれません。長期的な目線で、今後具体的な学力検査などと組み合わせて調査研究が出ると、さらに正しい評価ができるのではないかと考えています。
参考:RIETI - 新型コロナは教育格差にどのような影響を及ぼしたのか?
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