NAFLDは早期発症で発がんリスク上昇
1/2/2024 10:00:04
今日のポイント:NAFLD、発症年齢が早いほどがんリスク上昇
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD、欧米では2023年6月より病名と分類法を変更)の発症年齢とがんリスクを調査しました。中国・首都医科大学からの報告です。(JAMA Network Open誌、2023年9月25日号)
2006~21年にKailuan Cohort Studyに参加した17万9,328例から、計4万6,100例のNAFLD発症例が同定されました。各症例について、年齢および性別でマッチさせた参加者を無作為に選択して新たな研究コホートを作成、NAFLDの発症年齢とさまざまながん種のリスクとの関連を重み付けCox回帰モデルを用いて評価しました。異なる年齢におけるNAFLDとがんリスクとの関連を定量化するため、人口寄与割合(Population Attributable Fraction:PAF)を用いました。データ解析は2022年12月~2023年4月に行われました。
・6万3,696例(平均年齢51.37[SD:12.43]歳、男性5万2,764例[82.8%])が組み入れられ、3万1,848例がNAFLD群、同数が対照群となりました。
・中央値10.16(四分位範囲[IQR]:7.89~11.67)年の追跡期間中に2,415例ががんと診断されました。
・NAFLD発症時の年齢が45歳未満の患者は高いがんリスクを示し(調整ハザード比[aHR]:1.52、95%信頼区間[CI]:1.09~2.12)、NAFLDの発症年齢が高くなるにつれがんリスクは低下しました(45~54歳のaHR:1.50、95%CI:1.15~1.97/55~64歳のaHR:1.13、95%CI:0.97~1.33/65歳以上のaHR:0.75、95%CI:0.45~1.27)。
・NAFLD発症時の年齢が45歳未満の患者では、発症したがんは主に消化器がんと肺がんで、aHRは2.00(95%CI:1.08~3.47)と2.14(95%CI:1.05~4.36)でした。
・NAFLD発症時の年齢が45歳未満の患者では、がんリスクの17.83%(95%CI:4.92~29.86)がNAFLDに起因することが示されました。
以上より、発症年齢が若いほどがんリスクが高いことが示されました。
参考:New-Onset Age of Nonalcoholic Fatty Liver Disease and Cancer Risk - PMC (nih.gov)
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