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睡眠時間と認知症

10/31/2023 10:00:04

認知症

今日のポイント:睡眠時間が長い&特定のアミノ酸不足は認知障害リスク


睡眠時間とアミノ酸摂取量、認知機能の低下の関連について調査しました。国立長寿医療研究センターからの報告です。(BMC Geriatrics誌、2023年10月11日号)

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地域ベースの縦断的研究で、ベースラインで認知障害のない60〜83歳の成人623人のデータを分析しました。睡眠時間は自己申告質問票から、アミノ酸摂取量は3日間の食事記録から取得しました。認知障害はMMSE(ミニメンタルステート検査)スコアが27以下と定義しました。ベースラインの睡眠時間で、短時間睡眠群(6時間以下)、中程度睡眠群(7~8時間)、長時間睡眠群(8時間超)に分類し、認知障害発症率について中程度睡眠を基準とした短時間睡眠と長時間睡眠でのオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を推定しました。また、19種類のアミノ酸の摂取量の性別層別四分位数(Q)で、Q1を低摂取量群、Q2~Q4を中~高摂取量群とし、各睡眠時間群の認知障害発生率について中~高摂取量を基準とした低摂取量でのORと95%CIを推定しました。

  • 平均追跡期間は 6.9±2.1年でした。
  • 認知障害の調整後OR(95%CI)は、短時間睡眠群が0.81(0.49~1.35、p=0.423)、長時間睡眠群が1.41(1.05~1.87、p=0.020)でした。
  • とくに長時間(8時間超)睡眠者では、認知障害がシスチン(調整後OR:2.17、95%CI:1.15~4.11、p=0.017)、プロリン(調整後OR:1.86、95%CI:1.07~3.23、p=0.027)、セリン(調整後OR:2.21、95%CI:1.14~4.29、p=0.019)の低摂取と有意に関連していました。

 
以上、その結果、長い睡眠時間(8時間超)が認知障害発症率と有意に関連し、さらに、長時間睡眠者でシスチン、プロリン、セリンの摂取量が少ない人は認知障害を発症しやすいことが明らかになりました。


参考:Dietary amino acid intake and sleep duration are additively involved in future cognitive decline in Japanese adults aged 60 years or over: a community-based longitudinal study | BMC Geriatrics | Full Text (biomedcentral.com)

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