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不眠症に対する精神科療法の長期有効性

4/23/2023 10:00:03

メンタルヘルス

今日のポイント:不眠症に対する各種精神科療法は有効


米国・カリフォルニア大学バークレー校より、不眠症治療に対する認知療法(CT)、行動療法(BT)、認知行動療法(CBT)の長期的な有効性について相対的に評価した研究が報告されました。(Journal of Consulting and Clinical Psychology誌オンライン版、2023年2月23日号)

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対象は不眠症患者188例(女性:62.2%、白人:81.1%、ヒスパニックまたはラテン系:6.5%、平均年齢:47.4歳)でした。対象患者を、不眠症に対するCT、BTまたはCBTの8つのセッションにランダムに割り付けました。不眠症の重症度、不眠症に対する治療反応/寛解、睡眠日誌のパラメータ、日中の機能を治療前および12ヵ月間のフォローアップ期間に測定、評価しました。

  • いずれかの治療を行った患者で、不眠症の重症度、入眠潜時、中途覚醒、総睡眠時間、睡眠効率、仕事や社会への適応、メンタルヘルスの改善が認められました(各々、p<0.05)。
  • 各治療群において、実質的な割合で寛解や治療反応の達成が確認されました。
  • CBTは、CTと比較し不眠症の重症度を大きく改善し、CTおよびBTと比較し、より一層の寛解や身体的健康の改善が認められました(各々、p<0.05)。
  • 精神疾患を合併している患者では、CBTはCTと比較し、仕事や社会への適応、メンタルヘルスを大きく改善しました(各々、p<0.05)。
  • CTには、就寝時間の変化との関連が認められず、日中の疲労の変化に関連する治療条件もみられませんでした(各々、p>0.05)。
  • セラピストによるCBT、BT、CTの提供は、長期にわたり不眠症による夜間および日中の症状を改善させる可能性が示唆されました。

 
以上より、セラピストによるCBT、BT、CTの提供によって、不眠症による夜間および日中の症状が改善する可能性があります。


参考:Twelve-month follow-up: Comparative efficacy of cognitive therapy, behavior therapy, and cognitive behavior therapy for patients with insomnia. (apa.org)

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